薄桜鬼

□漆
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土方「総司の言っていた“薬”ってーのは“変若水”のことだ。」

「変若水?」

土方「あぁ。そいつには人間の自己回復力と筋力を増強する力がある。だが…それには重大な副作用があって…。」

「もしかして…。」

土方「あぁ。飲んだやつは理性を失う。」

「あれが…。」

土方「そうだ。あいつらは“羅刹”と呼ばれている。」

「羅刹…。」

土方「んで、新選組は、幕府からの命令でその変若水と羅刹の研究をしてたってわけだ。」

「…千鶴のお父さん…綱道さんは、たしか蘭法医でしたよね。」

土方「…あぁ。」

「もしかして、その研究をしていたのが綱道さん…ですか。」

土方「…そうだ。」

「綱道さんは、この後どうなっちゃうんでしょうか。」

土方「それは、どういう意味だ。」

「もし、綱道さんが敵側に捕まってたりしたら…。」

土方「羅刹のことがバレる前に助けるか、殺すかするしかないだろうな。」

「…千鶴ちゃんは、このことは?」

土方「知らねぇよ。雪村はもちろん、今までの話は他言無用だ。いいな。」

「はい。」











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