薄桜鬼
□弐
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「千鶴、走るよっ!」
千鶴「えっ?あ、うん。」
京に着いたばかりにも関わらず呪鬼と千鶴は浪士に絡まれ、逃げるために走っていた。
浪士「待ちやがれ!」
「こっち!」
ちょっとした物陰に千鶴と隠れる。
浪士「どこ行きやがった!?」
さっきの浪士の声と、足音が少しずつ近付いてくる。
「(…しょうがないか。)借りるよ?」
千鶴の耳元でそう言い、小太刀を鞘ごと抜き取る。
しかし、その小太刀が使われることはなかった。
突然、刀の音と狂ったような笑い声が夜の町に響く。
気になった呪鬼は、こっそりと少しだけ顔を出し、音のする方を見る。
そこには、白い髪に赤い目そして浅葱色の羽織を着た、男たちがいた。
「(何あれ…鬼…に似てるけど…。)」
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