Love to...

□Y
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“トントン”


「アリスです。」

スネイプ「入れ。」

「失礼します。」


アリスが部屋にはいると、スネイプが紅茶の準備をしているところだった。


ス「ちょうどいい。紅茶でもいかがですかな?」

「もちろん、飲む!」


バスケットをテーブルの端に置き、スネイプの向かい側に座った。


ス「何だ、それは。」

「それ?…あぁ、このバスケットね。お父さんも夜ご飯食べてないでしょ?」

ス「あぁ。」

「じゃあさ、これ一緒に食べない?」


バスケットに掛かっていた布をはずした。


「パンジーとドラコが私の為にって、いろんなものをとっておいてくれたの。」

ス「そうか。」

「私だけじゃ食べきれないし、何より1人で食事するのは寂しいし。ね、食べよ?」

ス「あぁ。」


スネイプの紅茶を飲みながら食べた。


「ごちそうさまでした!…で、私に話って何?」

ス「それなんだが…単刀直入に聞く。あの光は一体何だったのだ?」

「光…?」

ス「あぁ。アリスが落ちてきた時の、あの光だ。」

「それか。うーん…光のことは私もよくわかんないんだよね。」

ス「わからない?」

「うん。あれは私が出したものじゃないから。それに、光り出してすぐに私は気を失っちゃったし…。」

ス「そうか。しかし、アリスが出したものではないとなると余計に気になりますな。」

『私がお教えしましょう。』

「…今、何か言った?」

ス「我輩ではない。」

「じゃあ…誰?」


ポケットからアレンが飛び出してきた。
アレンは、2人の方を向いてテーブルに座ると、話しはじめた。


『アレンでございます。アリス様、スネイプ様。』

「…猫がっ…アレンがしゃべった!」

『そんなに驚かないでください。今はまだ魔力が足りないので無理ですが、人間の姿にもなれますよ。』

「え…アニメーガス?」

『いえ、私の本来の姿は猫ですからアニメーガスではありません。でも、まぁ…そうですね、逆アニメーガスとでも覚えておいてください。』

「…うん、わかった。」

ス「して、アリスが落ちた時のあの光は何だったのだ?」

『あれは、私の魔力によるものです。』

「アレンの…魔力?」

『はい。本当なら、私が人間の姿になってお助けできればよかったのですが…申し訳ありませんでした。』


申し訳なさそうな顔をしてアレンは頭を軽く下げた。


「そんな、謝らないで。アレンは私の命を救ってくれたんだから。ここは、私がお礼をいうところよ。助けてくれて、ありがとう!」

『ご主人様をお助けするのは当たり前のことです。お礼なんて…いいんですよ。』

「助けてもらったらお礼を言うのも、当たり前のことよ?」

『…そうですね。』

「ねぇ、アレン。あなたに聞きたいことがあるんだけど…」

『何でしょうか?』

「他の猫も、あなたみたいに魔法が使えたりするの?」

『いえ、魔法を使える猫はあまりいません。その中でも、私のように人間の姿になれるものは極稀です。』

「じゃあ、私はあなたのような素敵な猫に出会えるなんて運がいいのね。」

『“運”なんかじゃありませんよ。』

「へ?」

『アリス様の持っている杖と同じです。私たちも自分でご主人様を選ぶのです。』

「でも、あなたを買ったのは私じゃなくて、お父さんよ?」

『はい。私はスネイプ様があなたへのプレゼントを買いに来たことを知っていました。』

「な、何でっ?」

『それは、秘密です。にしても、あの時は大変でした。』

「何があったの?」

ス「私が、他の動物を買おうとしたからだろう?」

『はい。』

ス「あの時は驚いた。いきなり猫が飛びついてきたかと思えば、どれだけ離そうとしても離れなかったからな。」

『すみませんでした。』

「それだけ必死だったのね。」


アリスはクスクスと笑った。


「ふぁぁ…何か、眠くなってきちゃった。」

『では、今日はこれで失礼しますね。』


そう言って先ほど飛び出してきたポケットに入ろうとしたアレンをアリスが呼び止めた。


「今日は、一緒に寝ましょう?」


アレンを手に乗せると、ソファに横になった。


ス「なっ、寝るのなら寮に戻りたまえ。」

「ぅん…。」


アリスには聞こえていないようだ。


ス「…仕方ない…」


小さなため息をついて、スネイプはアリスにそっと毛布掛けた。











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