Love to...

□V
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朝、ホグワーツ急行を見送った後すぐにスネイプの部屋を訪れたアリスは、そのままちゃっかり夜まで居座っていた。


スネイプ「アリス、そろそろ夕食の時間だ。夕食くらい大広間に行ってはどうだ?」


ソファで本を読んでいたアリスが顔を上げた。


「お父さんは?大広間行くの?」

ス「いや、私はここに用意してもらうが。」

「じゃあ、私もここで食べる。大広間に行ってもドラコもパンジーもいないんだもん。」

ス「だが、クリスマス休暇といってもここには他の生徒もいるんだ。お前ばかり特別扱いするわけにはいかないだろう?」

「おじいちゃんから許可もらったもん。今日はお父さんの部屋にずっといていいって。」

ス「なっ…!」

「今日だけでいいから、お願い!」


世界的に、父親というものは娘に弱いものである。スネイプもそれにもれず、アリスには弱いのだった。


ス「仕方ない。今日だけだぞ。」

「やったー!ありがとう!!」


結局、就寝時間ギリギリまでアリスはスネイプの部屋で過ごしていた。


ス「そろそろ就寝時間になる。送ってやるから、寮に戻りなさい。」

「うん。そうだね。」


静かな廊下を2人で歩いて行く。


「純血」


寮の扉を開けた瞬間、梟がアリス目掛けて飛んできた。


「きゃぁっ!!」

ス「梟か?!」


ぶつかるギリギリのところで梟が急上昇したため衝突は避けられたが、別のコツンという小さな衝撃がアリスの頭にあった。


「痛っ…手紙?」


封筒の表面には確かにアリスの名前が書かれていた。


ス「誰からだ?」

「えっと…ドラコ・マルフォイ。ドラコからだ!」

ス「ひとまず中へ入ろう。ここでは通行の邪魔になる。」


談話室のソファに座った。


「そういえば“あとでクリスマスパーティーの招待状を送る”って朝言ってた。」


ビリビリと封筒の端を破くアリスを何とも言えない表情でスネイプは見ていた。


「切り口汚くなっちゃった。ま、いっか。」

ス「あとでレターオープナーでもプレゼントしよう。」


中には思ったとおり、パーティーの招待状が入っていた。


「パーティーって初めてだから楽しみだなぁ。行ってもいいでしょ?」

ス「明日の朝にでもダンブルドアに相談だな。パーティーに行くにはドレスが必要になる。」

「ドレス!」

ス「とにかく今夜はもう寝なさい。この話はまた明日にしよう。」

「うん。じゃあ、おやすみなさい。」

ス「あぁ、おやすみ。」


アリスか部屋への階段を上がって行くのを確認し、スネイプは寮を出た。



ー翌朝ー



いつもより早く起きたアリスは、スネイプより先に校長室を訪れていた。


「ね、おじいちゃん。行ってもいいでしょ?」


マルフォイ家からの招待状をダンブルドアに見せる。


ダンブルドア「もちろんじゃよ。こんなこともあろうかと、ほれプレゼントじゃ。」


ダンブルドアが軽く杖を振ると、目の前に箱に入ったピンク色のドレスが現れた。
ところどころフリルやリボンがついている。
ドレスだけでなく、靴やアクセサリーも合わせて用意してあるようだ。


「わぁー、かわいい!」

ダ「制服と同じサイズで作ってもらったからのぅ。」

「着てみていい?」

ダ「もちろんじゃ。部屋で着ておいで。」

「はーい!」


満面の笑みを浮かべ、幼い頃から使っている自分の部屋へ箱を持ち入って行った。
アリスが部屋に入ってしばらくした頃、別の来訪者が校長室へやって来た。


セ「校長、アリスのことで話が…。」

ダ「まぁ、まずはお茶でもいかがかのぅ?」


ダンブルドアに促され、ソファに座る。
すると、どこからか扉の開く音が聞こえて来た。


ダ「準備できたようじゃの。」


そう言うダンブルドアにつられ彼と同じ方へ視線を向けると、そこにはドレス姿のアリスが立っていた。


ス「なっ…?!」

ダ「アリス、よ〜く似合っておる。綺麗じゃ。して着心地はいかがかな?」

「サイズもピッタンコで、いい感じ!」

ダ「それはよかった。」

ス「校長、これは一体?」

ダ「おぉ、そうじゃった。セブルス、パーティー当日はアリスを頼んだぞ。」

ス「は?」

ダ「アリス、パーティーにはセブルスが付き添ってくれる。何かあったら頼りなさい。」

「うん!ありがとう、おじいちゃん。楽しんでくるね!」


セブルスの言葉は無視されたまま、パーティーへの参加が決定した。











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