Love to...

□U
1ページ/6ページ






フーチ「皆、集まった?」

『はい、フーチ先生。』


中庭でスリザリンとグリフィンドールの生徒が、ホウキを片手に向かい合わせに並んでいた。


フ「では、皆さん。いよいよ飛行訓練です。ボンヤリせずに全員、ホウキの左側に立ちなさい。急いで!」


パンジーとドラコの間でアリスも、ホウキを地面に置き隣に立った。


フ「右手を差し出して“上がれ”と。」

ドラコ「上がれ!」


ドラコは一度で成功し、わかりやすくドヤ顔をしている。


「ドラコすごい!」

ド「こんなの簡単さ。アリスも早くやってみろよ。」

「うん。」


ホウキの上に右手をかざす。


「上がれ!」


アリスがはっきりとした口調で言うと、ホウキはスッと上がりアリスの手に収まった。


「できたっ!」

ド「な、簡単だろ?」


“ガンッ”


2人が話していると、どこからか何かがぶつかる音が聞こえた。
音のした方を見ると、ロンが顔をおさえている。


「大丈夫かな?」

ド「バカだな、あいつ。」


心配しているアリスの隣でドラコは笑っていた。


フ「ホウキをつかんだら、落ちないようにしっかり握って、その上にまたがりなさい。笛で合図したら一斉に地面を強く蹴ること。ホウキはまっすぐに、しばらく浮いて前かがみになって着地する。合図しますよ。3…2…」


“ピーッ”


笛の音と同時にネビルの体が浮いた。


フ「ネビル・ロングボトム!戻りなさい!」


フーチが必死に呼びかけるが、ネビルはどうすることもできずにホウキにしがみついていた。


「えいっ!」


突然、アリスが空に飛びたった。


ド「アリス!?」


ドラコに名前を呼ばれたが、それに構わずアリスはネビルの元へ飛んでいく。


「掴まって!」


空中で必死にホウキにぶら下がっているネビルに手を伸ばすが、ネビルはなかなかホウキから手を放せないでいる。


「早く掴まって!!」

ネビル「でも…」

「早くっ!」


催促してもなかなかアリスの手を掴めないでいたネビルは、ついにホウキに振り落とされた。


ネ「うわぁぁぁ!!!」

「(間に合え!)」


落ちていくネビルを、猛スピードで追いかける。


“パシッ”


地面すれすれのところでネビルの手を掴み、危機一髪地面衝突は免れた。


「よかった…」


しかし、ほっとしたのも束の間。


「うぁっ!」


ホウキを持っていた手が、汗とネビルの重さとで滑り、そのまま2人で地面に落ちてしまった。


“ドシンッ…バキッ…”


フ「皆どいて!」


フーチが、駆け寄ってくる。


フ「あなたたち、大丈夫?」

「あ…ごめんね。」


とりあえず、ネビルに謝り、上から退いた。


フ「手首が折れてる。でも大丈夫よ、立って。」


フーチがネビルを立たせる。


フ「全員、地面から離れず待ってなさい。医務室へ行ってきます。勝手に飛んだら…クィディッチもできずに退学ですよ。それとMs.プリンス、あなたも一緒にいらっしゃい。」

「はい。」


ネビルと共にアリスも医務室へと連れていかれた。



…―医務室―…



「ごめんね。」

ネ「ううん、ありがとう。君が助けてくれなかったら、もっと大ケガしてたかも。」

「そう?」

ネ「君、えっと…」

「アリス・プリンス。アリスでいいよ。」

ネ「アリスは、スリザリンなのに何でグリフィンドールの僕を助けたの?」

「私は、寮なんて関係ないと思うの。」

ネ「スリザリンにもそういう子がいたんだね。」

「まぁね。ところであなたは…ネビルだっけ?」

ネ「うん、ネビル・ロングボトム。よろしく。」

「よろしくね。」

ポンフリー「アリス、フーチ先生から聞きましたよ。あなた随分と無茶をしたんですってね。掠り傷だけで済んでよかったわ。」

「ごめんなさい。」

ポ「もう無茶なことはしてはいけませんよ。」

「はい。」

ポ「わかればよろしい。アリス、あなたはもう寮にお戻りなさい。ネビル、あなたには骨折が治るまで入院してもらいますからね。」

ネ「はい…。」

「じゃあ、またね。ネビル、お大事に。」

ネ「うん。ありがとう。」


ネビルに手を振って、アリスは医務室を出た。











次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ