Love to...

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医務室からの帰り道


「あれ、リーオ?」


もう少しで階段、というところでリーオと会った。


リーオ「あ、アリスさん!お久しぶりです。」

「本当、久しぶりだね。グリフィンドールはどう?楽しい?」

リ「はい、楽しいですよ。」

「スリザリンじゃなかったこと、家族からは何か言われなかった?」

リ「…ルシウス叔父さんから吠えメールが届きました。」


その時のことを思い出したのか、少し辛そうにリーオは言った。


「そっか…ルシウスさんからか。大変だったね。」


苦笑いでアリスはそう返した。


「そういえば、どうしたの?こんなとこで。」

リ「あ、えっと…」


突然、リーオが狼狽えはじめた。


「大丈夫?」

リ「え、あ、はいっ。あの…あ、あっちの廊下が水浸しになってたので、少し気になって…。」

「水浸し?」

リ「はい。女子トイレの入口の方までびしょ濡れでした。」

「女子トイレって…マートルのとこか。」

ロン「行ってみようよ。」

「そうだね。ぁ、じゃあ今度ゆっくりお茶でもしようね、リーオ。」

リ「はい。」


まだ少し狼狽えているリーオと分かれて、3人はマートルのいるトイレに向かった。
トイレに入ると、水の溢れ出る音と、マートルの啜り泣く声が聞こえてきた。


「マートル?」


遠慮がちに声をかけてみる。


マートル「何か投げつける気?」


アリスたちに気付いたマートルがこっちを向いて聞いてきた。


ハリー「そんなことしないよ。」

「…誰かにやられたの?」


その問いかけに小さくマートルが頷いた。


マ「私はここでひっそり過ごしてるのに、本を投げつけてからかうのよ?」

「それは酷いね。」

ロン「でも体を通り抜けちゃうから別に痛くないだろ?」

「…ロンのバカ…。」


そう呟いたのが聞こえたようで、ロンがチラリとアリスを見た。


マ「そうよ!」


マートルが怒りを露わに近付いてきた。


マ「“感じないからぶつけてやれ”“腹を通り抜けたら10点!”“頭を通り抜けたら50点!”」

ハリー「誰が投げつけたの?」

マ「知らないわ、見てないの。」

「声も聞いてない?」

マ「えぇ。ただ、座って“死”について考えてたら、頭のてっぺんに本が落ちてきたの。」


そう言って泣きながら、マートルはどこかに消えて行った。


「マートルが言ってた本って、これのことかな?」


びしょ濡れの床に落ちていた本を拾った。


ハリー「T.M.RIDDLE…誰だろう?」


どうやら日記だったらしく、裏表紙に小さく名前が書かれていた。
そして、その日記はハリーが持っていることになった。











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