Love to...
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「ハリー、大丈夫?!」
降りてきたハリーの腕には、バジリスクの牙が深々と刺さっている。
ト「どうだ?バジリスクの毒が身体を貫くその速さ。」
フラフラと力無く歩くハリーをリドルが嘲笑った。
ト「君の命は数分ももつまい。穢れた血の母親に会えるぞ。つまらん日記が命取りに。それも愚かな小僧の手にかかって。」
“小僧”を強調して言った後、チラリとリーオを見た。
「毒…?そうだ、ハリー!」
アリスは意識を失っているリーオの手から日記を取ると、ハリーに向かって投げた。
ハリー「ぁ、そうか!」
ト「何をするつもりだ?!」
日記を広げ、腕から抜いた牙を振り上げた。
ト「やめろっ!!」
日記に牙を突き刺すと、刺したところからインクが溢れ出してきた。
ト「うぁぁぁ!!」
リドルの叫び声だけが地下室に響き渡る。
ハ「これで、終わりだ!」
表紙に思い切り突き刺すと、やがて光がはじけてリドルは消えた。
「リーオ、リーオ!」
体を強く揺らして声をかけると、うっすらとリーオの目が開いた。
リーオ「アリス…さん…?」
「目が覚めたんだね?!リーオ、よかった!」
ハリー「リーオ…。」
リ「ハリーさん。ぁ…ケガしてるじゃないですか?!」
未だ血が流れているハリーの腕をリーオが凝視している。
ハリー「君は心配しなくていいよ、大丈夫。」
リ「でもっ…。」
ハリー「ほら、アリスと一緒に早くここから逃げ出すんだ。通路の先でロンが待ってるから。」
今にも倒れそうなハリーが無理に微笑んで言った。
「フォークス!」
アリスが呼ぶと、すぐにフォークスが飛んできた。
「ハリーをお願い。」
その言葉に、ハリーの腕を見たフォークスが頷いた。
ハリー「何をするの?!」
傷口がハッキリと見えるようにアリスがハリーのローブの袖を引き裂いた。
「大丈夫、痛くないよ。すぐ終わるから。」
アリスが少し横にずれると、フォークスが来て傷口に涙を垂らした。
すると、あっという間に傷口が塞がっていった。
ハリー「そうか、不死鳥の涙には癒やしの力があるんだ!ありがとう。」
先ほどとは違い、今度は本当の笑顔でハリーが言った。
ハリー「もう大丈夫。終わったんだ。あれは“記憶”だったんだよ。」
「さ、じゃあ帰ろうか。きっと、みんな心配してるよ。」
リ「はい。助けてくれて、ありがとうございました。」
2人にお辞儀をした。
「私は何もしてないよ。リドルに拉致られて来ただけだもん。」
ハ「ううん、アリスがいたからあいつを倒せたんだ。ありがとう。」
「私こそ、助けにきてくれてありがとう、ハリー。」
3人で笑顔で通路を歩いて行った。
ハリー「ロン!」
ロン「ハリー、2人は?」
「無事だよ!」
ハリーの後ろからアリスが飛び出した。
ロン「アリス、リーオ!よかったー…。」
ロンのおかげで、岩の壁は大人でも余裕で通れるくらいに片付いていた。
ハリー「どうやって、上まで上ろうか…?」
「フォークスがいれば大丈夫だよ。重いものだって軽々運べるから。」
ロン「でも、さすがに4人はきついんじゃない?」
「大丈夫、大丈夫。ね、フォークス?」
アリスが問いかけると、肯定するように頷いた。
ロン、ハリー、アリス、リーオの順に手をつないで、フォークスに掴まった。
ロン「すげー!!」
リ「不死鳥って、すごく力持ちなんですねっ!」
数分も経たぬうちにマートルのいるトイレまで戻ってきた。
「さ、付いて行こう。」
フォークスに付いて行った。
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