無 限
□恋する乙男
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某交流サイトで書いていたものを移動させたものです
――バチンッ
『っ!!……――』
「ちょっと、聞いてんの?」
勢いよくビンタされて、ほっぺたがジンジンする
「………ッ……」
「…ウザ、何コイツ」
「錦戸くんに気に入られて調子乗ってんじゃない?」
複数の女の子たちが、僕を囲むようにして睨みつける。
ここは昼休みの校舎裏。
薄暗くてジメジメしてて、滅多に誰も近付かない場所。
亮ちゃんのファンという女の子たちから突然呼び出されて、ここに連れてこられた。
「………………」
そして、今の状況に至る。
「つーかマジで浮かれてるし、ムカつくだけど」
一人の子がそう言うと、他の子も口々に悪口を言い始める。
女の子って、ほんまに怖い。
今はこんな女の子たちも、亮ちゃんの前に出れば態度もしゃべり方もまるで別人…。
『女の子にいじめられてる』っていう事より、僕にはこういう『女の本性』を知ってしまった事実の方がショックだった。
「―ぇ、ねぇ!ちょっと聞いてんの?」
他の子より前に出て僕を睨む女の子、どうやらこの子がリーダーらしい。