平 成(+α)

□恋はキャッチアンドリリース
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「いのーちゃん、俺と結婚してくださいっ!!!」


「ふ、ざ、け、ん、な」






今月に入って、早27回目のプロポーズも失敗に終わった今日この頃



愛しのあの子・いのーちゃん

その可愛い可愛い最高級の笑顔を浮かべて、一字一字区切った「ふざけんな」


むしろそれが快感に変わりそうでry





「ガーーーン!!、、、いのーちゃんっ!!なんでダメなの!?こんなにこんなに好きなのにっ!!」


「だって俺、光タイプじゃないし」


「ガーーーンっ!!!」



通算86回目の痛恨の一言

膝をついてうなだれる俺を見て、ソファで足を組んで俺を見下す愛しのキミ




チラッと視線を上げて表情を伺うと、そこには楽しそうにニーッコリ笑っているいのーちゃん


あぁ、今日も何て可愛らしい


まるでキミはお姫様

どんなに可愛いと評判のグラビアモデルや女優さんが目の前に現れても、今の俺にはそんなの目に入らないアウトオブ眼中




「タイプじゃ無いってなんなのさー!」


「いや、そのまんまだけど」


すがるように泣きながら(もちろん演技)いのーちゃんの足にすがり寄ると
「どさくさに紛れて触るな」
と言われてゲシッと蹴られた


そのしなやかなラインを描いたような細くて美しい足から、どうしてそんな力が出るっていうんですかまったく!



「具体的にっ!!どこがダメなのっ!?」


「う〜ん、…しいて言うならその八重歯?」


「歯医者行って引っこ抜いてきます!!!」



そう言って楽屋から飛び出そうとしたら、扉の前で薮と大ちゃんに「落ち着けっ!!」と取り押さえられた



二人に説得され、渋々歯医者に行くのは諦めた


いのーちゃんの元に戻ると、「おもしろー」なんて言いながらソファの手摺に頬づえをついて笑っているいのーちゃんがいた




「光、相変わらず面白い」

「えっ!?面白い!?」




そう聞いた俺に向けてくれたのは、まるで清楚な育ちを表すような笑顔










あぁ 今日もフラレてしまったけど、こんな風に最後に至福をくれるキミ





だから、明日もプロポーズをしようと思う



例え100回、1000回フラレても、もしかしたら次は「いいよ」って
涼しい顔で言ってくれるかもしんないでしょ?








END





 

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