Ring長編
□◆運命の出会い…そして…◆
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――――――…
「――ッあ!」
「どうかしましたか?フロド様」
サムが心配そうにフロドを覗き込む。
「いや、何でもないよ…
少しぼ―ッとしてただけだから」
「そうですか?
―…ッストライダー!!」
サムが見張りをしているアラゴルンに声をかけた。
「何だ!!?」
「水が無くなったので…そこの湖まで汲みに行ってきます!」
「もう直ぐ発つッ!
なるべく早くしろ!」
了承しつつも、的確な指示を出すストライダーと呼ばれし男。
「わかりましたッ!
メリー、ピピン手伝え!」
「「えぇ〜!!」」
まさかの指名に二人は抗議の声をあげる。
「夕食抜きでも良いのか?」
「「…行きます」」
彼らはどうやら食い気には勝てないらしい…(爆)
鶴の一声とは正にこの事…だ。
「じゃあ、僕も…」
「フロド様はストライダーと待っててください
…直ぐ戻ります」
サムはフロドにそう言うと、メリーとピピンを連れて湖へと走って行った…。
―――――…
「「「――――ッ!!?
ストライダーッ!!?」」」
いきなり湖の方から三人の悲鳴が聞こえた!
「ストライダーッ!」
「ああ!行くぞフロド!」
すかさずフロドとアラゴルンは彼等の元へ急ぐ。
二人は急いで湖に走った。
――――ザッ!?
「どうしたッ!?
何があったッ!?」
「「「ストライダーッ!!?
湖から人がッ!」」」
二人はその言葉に三人の間を見た。
すると其処には、一人の女の子が横たわっていた…。
「湖からこの荷物と一緒に出てきたんだッ!」
「息はしてるのッ!?」
フロドはすかさず彼等に尋ねる。
「し、してないんだッ!
―ッストライダー!!
助けてあげてッ!?」
「それを早く言えッ!」
―――…うん、
それ先に言おうよ
君たちさぁ…(汗
by管理人;
アラゴルンはそう言うやいなや、何の躊躇もなくその女の子に口づけた。
胸の上下を確りと確認しながら息を何度も吹き込む。
―――…ッ!!!?
「――ッげほ、ごほッ! …ッ…けほッ…ッ!」
「「「「――ッ!!!?
息をふきかえしたぁあああッ!!!!?」」」」
「ッ…ぁ――ぅぐッ!」
「しっかりしろッ!
大丈夫だッ!そのまま息を吸え!」
何とか女の子はアラゴルンのおかげで息をふき返したのだが…。
パニック症状を引き起こしたのか、上手く息が出来なくなっているみたいで苦しそうにしている。
「―ッ!…ッ…んくッ!」
暫くすると、女の子はやっと落ち着き始めた…。
よく見ると女の子は、今まで見た事のない服装に身を包まれていた。
「―…ッ大丈夫?」
フロドがそう優しく心配そうに問うと、女の子は少し意識がはっきりしてきたみたいでフロドへ緩慢な動きだが視線を向けた。
「―ッ…私…ッ…一体…ッ?」
「貴女は湖で溺れていたんです」
「…ッ…湖に…?
―――ッ!!!!?」
『湖』
という言葉を聞いたとたん彼女は飛び起きた。
――――くらぁッ…
「――ッ!?」
「―…大丈夫かッ?」
――…ぽすっ!
勢いよく立ちすぎたのか立ち眩みを起こしてしまった所を、アラゴルンが受け止める。
「無理をするな
…しかし、一つ聞きたいのだが…君は一体…何者だ?」
「ッぁ…」
受け止めてくれた人が探る様な…そして厳しさを含んだ光を目に宿して質問をしてきてキミコは怯えてしまった。
一瞬にしてその場に緊張がはしる…。
「貴女はエルフですか?」
彼女の緊張を知ってか知らずか、フロドがキミコに尋ねた。
「…へ???
エルフって何ですか?
私は人間ですよ…?」
空気にそぐわない間抜けな声が返ってくる。
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全「――…ッは???」
「エルフを知らないのッ!?
あ、僕はメリー!コイツはピピン!」
「人間なの!?
凄く美人だから絶対エルフかとッ!
エルフを知らないならホビットも知らない!?」
次々にされる質問…
―――――…
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