Ring長編
□『プロローグ』
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―――見つけたぞ…
――キミコよ…―――
今日は両親の命日…。
もう、ちょうど6度目となる…。
両親は6年前、…私が13の時に交通事故で亡くなり、私は母方の祖父母に引き取られた。
父方の祖父母も親権を主張したが私は静かな場所を選び母方のお世話になっている。
母方の家系は代々由緒ある神社の神主を継いでいる家系で、父方の家系は旧宮家…天皇陛下の御血筋を継ぐ家系である。
どちらの祖父母も私を大切にして下さっていた…でも、私は静かな場所を求めていた…。
父方の祖父母は私の気持ちを汲み取り母方へ養育費などを私に毎月渡す事を了承する事で、親権を母方へ譲った。
そんな我儘で勝手な私を受け入れてくれた優しい祖父母達の為に私は悲しみのあまり死にたい気持ちを隠し、この人達の為に生き様と決めた…。
――…そして月日は過ぎ
私は、19になり…
今年とうとう成人を迎える…。
はずだった″
――――――のに…
…でも、幸せよ…?
――…私
―――…だって
皆に会えたんだもの…。
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