風紀委員長と黒猫
※風紀委員長=貴方、黒猫=雲雀さん




くぁと欠伸をして、風紀の仕事を終えた俺は、うっすら暗くなった道を歩いて帰る。
遠くから子供の声が聞こえて、呼応するように複数の声が返って行く。
どうやらもう帰る時間らしい。
そりゃそうだ。子供は早く帰って早く寝ればいい。一々早く帰りなさいと指導(という脅し)しなきゃいけないのは、面倒くさい事この上ないんだから。
くぁ、と欠伸をもう一回。
明日も朝から服装チェックしなきゃならないし、俺も早く帰って寝なきゃね。



「ねぇ」



帰路を辿る俺を呼び止めたのは、子供…よりは大人びた男の声。
俺と同じか少し下の声の持ち主は、辺りが暗いせいか姿を確認する事は出来ないけど、近くにいるのは気配で分かる。



「誰?」
「隣りだよ、君の」
「隣りって…塀ですけど」



街灯に照らされた塀。特に変わった所も無いけど…。



「上だよ、塀の上」
「上?……猫?」



声に誘導されるまま、俺の視線は塀の上にいた真っ黒な子猫に。
…うん?猫?



「猫かぁ、家に帰んなくていいの?」
「家はないからいいんだよ」
「そっか、ノラさんか」
「うん」



しかしノラにしては毛並みが良過ぎじゃないかと思うのは、決して俺の気のせいじゃないと思う。
触れても怒られなかったので撫でてみると、手にすり寄って来た。
人懐っこい…家出でもしてきたのかな。



「ねぇ」
「なに?黒猫さん」
「僕を飼って」



……なんですと?



「君になら、飼われてあげてもいいよ」



撫でていた手をペロリと舐められて、黒猫さんはそう言った。






End..?


誰か猫が喋った事にツッコんであげて!



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