小説
□君と歩けたなら
2ページ/5ページ
その頃、佐佑利はというと・・・。
「炬君、綺羅ちゃん今日誰か向かえに来るの?私が送ろうか?」
『はい。お願いします』
「他の子達は?」
『お願いしま−す』
「じゃあ、みんなかばん持って」
「佐佑利さん、護刃さんは?」
「今日は、光希ちゃん送っていたよ」
「じゃっ今日お仕事お休みなんだ」
「夕飯作ってくれると助かるんだけど」
苦笑する佐佑利。
「佐佑利さんの料理も美味しいよ」
「ありがとう、今日はちょっと忙しいの」
「コンサートするの?」
「えぇ、少し遠くになるかな」
「私達はついてったら駄目?」
「平日だから駄目だね」
「残念」
子供の頭を撫でる佐佑利。
とんとんっとドアを叩く音に振り返る佐佑利。
そこには、佐佑利の妹である茉以子が立っていた。
傍らには甥のゆり。
「朝からごめんね」
「気にしないで、おはようゆり君」
「おはようございます」
「私、子供達学校に送らないといけないから悪いけど待っててくれる?」
「私は仕事行かなきゃいけないの」
「なら、子供達お願いしてもいいかな?」
「構わないけど。」
「今日一日中ツアー行く荷物まとめないといけないし」
「わかった。みんな学校行きましょうか」
『はーい』
子供達にキスをする佐佑利。
手を繋ぎ出ていく子供達。
佐佑利を部屋の隅連れて行く茉以子。
「ゆりをしばらく預かって欲しいの」
「私明日から海外ツアーなんだけど」
「わかってる。だからお願いしているの。今は何も聞かないで預かってお願い」
「雛君は何だって?」
「・・・・」
「まだ言ってないんだ・・私から適当に言っとく」
「ありがとう」
そう言うと佐佑利に抱き着く茉以子。
妹の背中をぽんぽんと叩く佐佑利。
「まいちゃん、遅刻しちゃうよ」
「はーい、今行くわ」
妹の背中を軽く押す佐佑利。
微笑む茉以子。
茉以子を見送り甥のゆりを見る佐佑利。
→