小説

□君と歩けたなら
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その頃、佐佑利はというと・・・。


「炬君、綺羅ちゃん今日誰か向かえに来るの?私が送ろうか?」

『はい。お願いします』

「他の子達は?」

『お願いしま−す』

「じゃあ、みんなかばん持って」

「佐佑利さん、護刃さんは?」

「今日は、光希ちゃん送っていたよ」

「じゃっ今日お仕事お休みなんだ」

「夕飯作ってくれると助かるんだけど」

苦笑する佐佑利。

「佐佑利さんの料理も美味しいよ」

「ありがとう、今日はちょっと忙しいの」

「コンサートするの?」

「えぇ、少し遠くになるかな」

「私達はついてったら駄目?」

「平日だから駄目だね」

「残念」

子供の頭を撫でる佐佑利。
とんとんっとドアを叩く音に振り返る佐佑利。
そこには、佐佑利の妹である茉以子が立っていた。
傍らには甥のゆり。

「朝からごめんね」

「気にしないで、おはようゆり君」

「おはようございます」

「私、子供達学校に送らないといけないから悪いけど待っててくれる?」

「私は仕事行かなきゃいけないの」

「なら、子供達お願いしてもいいかな?」


「構わないけど。」


「今日一日中ツアー行く荷物まとめないといけないし」


「わかった。みんな学校行きましょうか」


『はーい』


子供達にキスをする佐佑利。
手を繋ぎ出ていく子供達。
佐佑利を部屋の隅連れて行く茉以子。


「ゆりをしばらく預かって欲しいの」


「私明日から海外ツアーなんだけど」


「わかってる。だからお願いしているの。今は何も聞かないで預かってお願い」


「雛君は何だって?」

「・・・・」


「まだ言ってないんだ・・私から適当に言っとく」


「ありがとう」


そう言うと佐佑利に抱き着く茉以子。
妹の背中をぽんぽんと叩く佐佑利。


「まいちゃん、遅刻しちゃうよ」


「はーい、今行くわ」

妹の背中を軽く押す佐佑利。
微笑む茉以子。
茉以子を見送り甥のゆりを見る佐佑利。





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