小説

□君と歩けたなら
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君と歩けたならよかったのに。

君と歩けたならこんなにも君に迷惑をかけたりしなかったのに。




「光希、おはよう」
「おはようざいます。護刃さん」

光希の頬にキスをする護刃。

「私、学校行くけど護刃さんはお仕事ですか?」

「今日は、休みだけどなんで」

「まだ、勇音ちゃん達いるからご飯食べさせて学校に行かせてください」

「了解」

「行ってきます」

「気をつけてね」

光希の後ろ姿を見送る護刃。

「光希待って」

呼び止められ車椅子の向きを変える光希。

「どうかしましたか?」

「詩紋を起こして来るからちょっと待っていて」

奥の部屋に走っていく護刃。
首を傾げる光希。
護刃夫婦の寝室。

「詩紋ちょっと起きて下さい」

妻である女性を起こす護刃。

「もう少し・・・寝る」

「寝るって・・・早く起きないいと離婚しますよ」

勢いよく起き上がる女性。
「そんなちょっとのお寝坊で離婚とかゆわないで」

「冗談ですよ。僕、光希を学校まで送っいきますので勇音達がまだ寝てますので起こしてご飯あげて学校に行かせて下さいね」

「ハーイ」

「百合さんに“はい”は短くって言われませんでしたか?」

「はい」

「大変だと思いますがお願いしますね。佐佑利」

佐佑利にキスをする護刃。
「日本名で普段呼ばないのに」

「なら、フランス名がいいですか?」

「詩紋でいい」

「今、光人先生思い出したでしょ・・同じ名前ですもんねぇ」

「光希ちゃんが待ってるんでしょ」

護刃を部屋の外に出す佐佑利。
ドアに背を向けて立っている佐佑利。

「まさか、光人先生の名前が出て来るなんて思わなかった」

玄関に光希が待っいる。

「お待たせ、いこうか」

「はい」

「車椅子押してもかまわないかい?」

「いいですよ」

光希の車椅子を押す護刃。

「光希ちゃんはますます光人先生に似てきましたね」

「護刃さんはうちのお父さん嫌いでしょ」

「そんなことないよ。亡くなっても詩紋に愛されてるなんて」

「やきもちですか。珍しいですね」

クスッと笑う光希。

「そうかも知れませんね」
ニコッと微笑む護刃。





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