novel
□HappyBirthday
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恋人になって…もう三年が過ぎようとしていた…
〜HappyBirthday〜
「十代〜」
部屋で横になっている十代に声をかける
「…グー」
反応が返って来ない…
「ねぇーてば十代!」
「うぅ…和月?どうしたんだよ…」
寝ぼけ顔で、目を擦りながら私を見る十代
「明日は何の日か知ってる?」
腕を組ながら十代を睨む
「明日?明日はデュエルの大会があるけど」
驚き、十代に近づく
「大会!?」
「ああ!プロとアマチュアが出れるトーナメント戦なんだ〜♪」
デッキ見ないとな〜と言いながら起き上がり、デッキを見始める十代…
「明日は…」
明日は私の誕生日なのに…忘れちゃったのかな?十代…
私達が付き合い始めたのが二年の終わりだった…
今はデュエルアカデミアを卒業して、十代とは別の道を歩いている…。
私は、先生の推薦をもらい日本のデュエルカレッジに進んでいた…
十代は卒業後…
スポンサーがつかなかった為、今は色々な大会に出ている
「いつかスポンサーもつくだろう」と気楽な答えが返ってきた…
私も大学を卒業したらプロの道へ進むつもりだか、十代がどんどん先に進んで
少し不安を感じていた…
大学進学を機に、私は一人暮らしを始めた、そこに十代が転がりこんで来たのだ。
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―誕生日当日―
朝、目が覚めたら十代は居なかった…
出かけるなら声を掛けて行って欲しかった
そんな事を心の中で愚痴っていた…
服を着替え、朝食を食べて家を出た…
誰も居ない部屋に「行ってきます…」と言って
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大学で友達に祝ってもらって、すっごく嬉しかったけど…
ヤッパリ十代と祝いたいよ…
デュエルアカデミアに居た頃は、毎年お祝いしたけど…
ヤッパリずっとは一緒に居られないのかな?
あの頃とは違うのかな?
その分、大人になったのかな?
私は置いてきぼりなのかな…
幸せなのに、近くに居るのに、不安で胸が張り裂けそう…寂しいよ十代…
「チョット和月あれアンタの彼氏じゃない?」
学校の大きなテレビ画面に映る、十代の姿が…大会で優勝したらしいインタビューを受けている
「今の気持ちを伝えたい人は居ますか?」
リポーターの質問に答える十代
「います!響 和月に」
カメラ目線の十代と目があった気がした…
「和月見てるか?いやお前なら見てるよな必ず…
お前に言いたい事があるんだ…
結婚しようぜ!もう寂しい思いをさせないから…ずっと一緒だ和月」
十代は気づいていた私が寂しがっていることを
十代の、真剣で真っ直ぐな愛情を感じていた…
あぁ、私はこんなにもこの人に愛されているんだ…と深く感じた
急に涙が溢れてきた
嬉しくて、嬉しくて、
下を向いたまま、小さな声で十代に言った
「私の気持ちは昔も今も変わらないよ…」
十代が帰って来たら真っ先に言おう…
最高のプレゼントをありがとうって…
私の気持ちは貴方と同じだと…。
HappyBirthday
終わり
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