novel
□―With you―
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「ねぇ、十代」
「うん?何だよ…和月」
和月は納得してないと言った顔をしてる…。
「どうして、私をパートナーに選んだの?」俺を真っ直ぐ見つめる目は俺の考えを探ろうとしているみたいだった。
「俺は和月と一緒が良いって思ったからに決まってるだろ?」
「だって私は十代みたいに引きが強い訳でも無いし〜それから…」
そう言う事か…。
「和月は自分と組むと負けるって思ってるのか?」
「えっ!?うーん…」
腕を組んで考え込む和月、ちょっと笑えてくる。
だけどデュエリストとしては真っ先に『やってみなくちゃ分からない』って答えろよな?
「和月は俺と組むのが嫌なのか?」
和月の顔を下から覗き込みながら言うと和月の困り顔を赤らめ差せながら口を開く。
「いっ嫌じゃない…よ?十代」
なぁ和月、俺はお前に言いたい事があるんだ。
俺は、お前の全てが欲しいんだ。
お前を閉じ込めて、お前の世界が俺だけになれば良いって思ってるだ…。
何もかも、自分の思い通りなると思ってた子供の頃。
大人に成れば気づくんだ、自分がどんなに陳腐で欠陥だったって事にさ。
でも、俺はこの我が儘を通すつもり。
だって俺は強欲だから
欲しいモノは全部欲しいんだ。
手に入れたモノは絶対に放さない…。
ねぇ、和月?
お前の見てる空はきっといつか、檻越しに見ている空だって気づくのは何時なんだろうな?
「どうしたの十代?」
「別に?ホラ行こうぜ、和月!俺たちで1位を目指そうぜ!?」
「分かったよ!十代、私だってやる時はやる女なんだからねって所を見せてやるんだから!!」
「その息だぜ、和月!」
俺の心の中が分かったら、和月は俺から離れて行くだろうな…。
でもさ、それは出口があればって事だろ?
ずっと一緒だぜ、和月。
終わり。