novel
□無題
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次の試合に備え、デッキチェックを為ていた。
いつの間にか日も暮れ、月が昇っていた…
「もうこんな時間か…」
一度作業の手を休め、バルコニーに出る
「今日は満月か…」
不意に斎王の事を思い出す…
最近のボクは変だ、斎王の事を考えているだけで顔が焼ける様に熱くなって、胸が苦しくなる。
胸が走るかの様に跳ねる
脈が速くなり、血圧が高くなる
「ハハ、ボクは病気か…」
「誰か病気なのかい?」
後ろを振り返ると、斎王が立っていた
「済まないノックを為たんだか、聴こえなかったか」
「斎王…ゴメン気づかなかった」
斎王はボクの隣に立ち、空を眺める
「今夜は満月か、」
月光に照らされる斎王の横顔をボクは眺めていた…
いや…見とれていたと、言った方が合っている
ボクの心臓がドクッドクッと
音を上げる、速くなる、
「どうした?気分が悪いのか」