お題

□佐助×幸村で10のお題
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「ご馳走様でござる!」

「全部食いやがったー!!」

 や、勿論これまた、俺の分は残されているが。
 ・・・一人で興奮して妄想して旦那を止める好機を逃したのは、俺だけれど。
あれだけ大量の饅頭、全部食うかよ・・・。

「珍しいでござるな」

「へ?」

「佐助が、止めなかった」

「・・・あー・・・うん・・・たまには?」

 叱り付けようとも思ったが、目の前でばくばく食ってるのに止めなかったのは俺だし。
満足げににこにこ微笑む旦那を見てたら、「たまにはいいかな〜」なんて気分になる。

「佐助は、食わぬのか?」

 折角お前の分を残してやったのに、と旦那が続ける。

「うん・・・頂くよ」

 割れないように気を付けながら、葛餅をぱくり。
あー・・・こりゃ本当に、良い葛だわ。明日まで置いといたら、確かに硬くなっちまってただろうな。
 一口茶を飲んで、水饅頭をぱくり。
初めて食ったけど、悪くはないな。明日には乾いてそうだ。今日食わせてよかった・・・かな。
 本当はもうこれで十分だったけど俺が食べるのを辞めたらまず間違いなく旦那が食っちまいそうだから、二口茶を飲んで生麩饅頭をぱくり。
麩って、餡子にも合うんだな・・・。
こういう柔らかいもんも、時間を置かずに食べた方がいいだろうな。

「美味いでござろう!?」

「うん・・・美味かったよ」

 俺の口ん中、旦那と同じ味なんだろうな・・・なんてダメなことを考えてしまったから。
俺は甘ったるい口内に閉口しながらも、茶は飲まずに食った後を片付けた
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