MIST

□MIST-3-
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「へぇ……いーじゃん、相棒って」



「……僕を信じ切ってはくれないだろうけど……同じ痛みを知るアイツをほっとけないから……」

ニールは彼方を見つめる。

サラサラの髪がなびいていて、凄く大人びて見えた。




「さて……いこっかぁ」

ニールはいつもの笑顔で立ち上がる。

「なっ、待ちなさいよ!!」

「置いてくんやない!!」

プレセアとスパークが慌てて追う。



赤毛の少年は己の手のひらをそっと開いて見た。



「俺は……」

考えて、ブンブンと首を振る。



「俺は夢に突き動かされているだけかもしんねぇけど…それでも……いいよな」





「ラキっ置いてくわよ!!」

「だあぁあ!!待てこの自己中!!!」

ラキは仲間の元へ走る。





しばらく行くと、闇夜に浮かぶ紺色の影。

ウラノスがゆっくりと振り返る。

彼にニールは手を差し伸べる。





「いこうよ、相棒」

その言葉に一瞬戸惑ったウラノスは視線をそらしフッ…と小さく笑った。



「ああ……そうだな相棒」




















「次何処いくんだよオラ」

「うるさいわね!!今考えてんじゃない!!」

「あはははは」

小鳥がさえずっている。

爽やかな朝だ。



「これっていう目的も無いし……とりあえずここから西のスムースっていう村へ行きましょ」

プレセアが地図を広げて言う。

「また変なモンスター出ねぇだろーなァ…」

「バカ。街にモンスター出たら人間の住むトコ無いじゃない!!」

「あ゙ーっやっぱテメェいちいちムカつく―――!」



のんきな笑い声がこだまする森―――――――。


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