MIST
□MIST-2-
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腰辺りまで伸びた小麦色の髪、白いマントに黒いタートルネックのシャツ。額には黒いヘアバンド。
「だっ……誰だ…」
「まぁ、説明は後でしましょう。とりあえずこいつら葬っておきます」
ラキの問い掛けに振り向いた……多分、彼……は暗めの金色の瞳で満面の笑みを浮かべてそんな言葉を吐いた。
「……おい…我を忘れるな…」
不意にどこからか声がする。低いハスキーボイスだ。
「―――あー、忘れてないよっウラノス」
言われた方はさも忘れてましたという感じの間を置いて、間延びした口調で答えた。
「……何だ今の間は」
ラキに斬り掛かろうとしていた屍兵の上にの主は着地。どうやら上…にいたらしい。
長髪の男と背中合わせに立った。
「邪魔だ。下がっていろ」
素直に『後は任せておけ』とか言えばいーじゃん、と思いつつラキは言われた通りにプレセアのいる所まで走った。
だいぶダメージを受けたスパークもラキについてくる。
「ラキ、あれ……誰?」
「知らねーけど助けて貰えるならラッキーじゃねぇか」
ラキが振り返ると既にモンスターの数は驚く程減っていた。