世界はひとつ
□絶対命令
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紺那『よし!』
檸『紺那!よく似合ってるよ!』
紺那『えへへ〜ありがと!』
檸の家に住む事になってから数日後、檸の携帯に跡部から連絡があり、電話の内容は手続きが完了したため、更に数日後から学校に通えるという物だった。
そして今日、いよいよ氷帝学園に登校する日となった。
真新しい制服に袖を通し、檸の部屋にある全身を映す鏡の前に立つ紺那の姿と、それを嬉しそうに見つめる檸の姿があった。
―コンコン
玲奈『紺那、檸ちゃん、準備出来た?』
ドアをノックする音と共に玲奈が部屋の外から2人に声を掛ける。
紺那『あ、玲奈!開けて良いよ』
玲奈『うん。おはよう2人共』
冬架『おはよ』
紺那・檸『おはよー!』
ドアが開かれると、同じく氷帝の制服に着替えた玲奈と冬架が部屋へ入ってきた。
檸『おぉ、2人も似合ってるね』
玲奈『ありがとう』
冬架『いよいよ氷帝に通うのか…』
紺那『何!?冬架ってば緊張しちゃってんの?』
冬架『いや、転校生だから挨拶しなきゃならないでしょ?面倒だなって』
玲奈『冬架ったら…』
航「おーい!皆起きてるかー?朝食の用意が出来たぞ!」
楽しそうに話す4人に、一階から航の呼び掛ける声が聞こえた。
檸『お、さっすが兄貴。今行く!』
玲奈『航さん、朝食作ってくれたんだ…そういえば殆ど任せっきりだね…』
冬架『少しはあたし達がやらなきゃね』
紺那『そだね。僕は掃除位しか出来ないけど』
檸『そんな気遣わなくて良いよ!さ、早く行こ』
冬架『うん』
檸に背中を押される形で一階へと下りていくと、朝食の良い香りが漂ってきた。
紺那『うひゃ、急にお腹減ってきた』
檸『私も!』
お腹が鳴りそうになるのを堪えながらダイニングへと向かうと、真っ白いご飯をよそう航の姿があった。