6

□Rason D'etre
2ページ/6ページ



「う…んんっ、」
「気がついたか狼牙。」
「あに…きって、っちょ…!?」

光が眩しくて俺は目を反射的に瞑る。
俺の部屋じゃなくて、兄貴の部屋。……本棚にわけわかんねー本とかいっぱい置いてあるからすぐにわかる。
起き上がろうと思ったが腕を頭上に絡め取られて仰向けの状態で、俺は肌蹴た黒のインナーだけで下は何も履いていないという何ともこっぱずかしい格好だった。
そして視界に映るのは……首輪と、ネコ耳カチューシャを手に携えた兄貴の姿だった。

「お前の態度で直ぐにわかったよ。伊集院君からのリークからで、お前の数学……名前を書き忘れで無得点なんだって??」
「だから、それは…」
「そんなにお仕置きして欲しかったのか、狼牙?」
「だ、だれが……!?」
「じゃあ何で帰ってきたんだい?あのスカルのヘッドの所や匡君の所だって逃げ込めただろう?」
「……逃げ込んだら兄貴、現役状態で潰しに来るだろうが……」

兄貴は、裏社会にも繋がりがあるから恐ろしい。匡一郎や空也を巻き込みたくないのは俺の本音だ。俺がこうして耐えればいい話だから。


「(相変わらず狼牙は無意識に自分を犠牲しているなぁ……匡君はともかく、スカルのヘッドは俺を敵に回す覚悟もあるからな)」


兄貴は笑みを浮かべて俺の腕を絡めていた鎖を解く。鎖を解いただけで俺の両手を拘束してる手錠はそのままだけど。
俺が満足に抵抗も出来ずにされるがままになっているのは、飲み物か御飯の中に媚薬や睡眠薬が入っていたんだろう。
起き上がらせた俺を今度はうつぶせにする。

「な…あに、き…ってこれ…ッ!?」

兄貴は俺の頭に、手に持っていたカチューシャを付ける。そして鈴がついた赤い首輪も俺の首に付ける。まるで飼い猫そのものだった。


「さあお仕置きの時間だよ、狼牙。」


うつ伏せ、というか力が入らない四つん這いの状態で俺は後ろを兄貴に弄られていた。
潤骨剤を纏わせた兄貴の指が、容赦なく俺の後ろの中に侵入し前立腺を刺激する。

「ひぃっ、くぅ、ぁあッ、や…そこばっか、やめ……!!」
「そこ?そことはどこの事かな??」
「んん…っ!!あ、はあっ…あぁ、んぅ…ふぅう!!」

兄貴の細長くしなやかな指が的確に前立腺を刺激して、後孔をどんどん拡張させる。
そんな風に後ろを攻められれば俺はもう兄貴に陥落するしかない。媚薬で正常な判断が鈍ってる俺は与えられる快感に悶えるしかなかった。きゅうきゅう、と俺は兄貴の指を美味しそうに締め付ける。

「狼牙は前立腺を弄られるのが好きだよな」
「ひぃ、は…っぁああっ、いうな…いわ…な、で、やぁ…!」
「嘘は駄目だぞ狼牙。こんなに俺の指を締め付けて。」

快楽に腕に力が入らなくなり、枕に突っ伏してしまう。
今の俺は尻を高く上げて、膝でバランスを取ってる雌猫なんだろうか。ちりんちりん、と首に付けられた鈴が鳴る度に俺は「ネコ」なんだろうと錯覚してしまう。



次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ