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□Rason D'etre
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*豪×狼牙/リクエスト*
→お仕置き猫耳プレイ(空也×狼牙の続編)


“もし全教科でどれか一つ平均点以下だったら―――そのときは解っているよな、狼牙?”


兄貴の発言はいつだって本気だったんだ、俺はそれを忘れてた。忘れてなんかいないつもりだったのに……。

テスト終了と同時に俺は恋人の空也に拉致られて、一週間分徹底的に搾られて、それで……テストが返ってきたんだ。
殆ど平均点以上で安心した。そりゃ生徒会長だから無様な姿は見せられない。俺の恥は生徒会の恥だからな。最後の数学がちょいと怪しいが……

「斬真君。君の答案ですよ。」
「おう……!?!?!?!?」
「君としたことが珍しいミスをするものですねぇ…余程追い詰められていたのですか?」
「……。」

担任の伊集院に言われて、俺は思い当たる節がありまくりだった事を思い出す。兄貴の発言もだが、空也が怖かった。それが無意識にプレッシャーをかけていたんだろうな、俺に。

「狼牙さん、どうかしたんすか?」
「何でもねえよ、兵太。」

何かと絡んでくる隣の席の兵太をいなして席に戻る。俺の頭の中はどうやってこの答案をばれずに処分することに脳髄を注がれていた。
昨日まで空也の絶倫っぷりに付合わされて漸く解放されたばっかだっつーのに。……これでまた兄貴の変態仕置きが入るとなると、過労でぶっ倒れるんじゃねぇか、俺。


俺は忘れていた。伊集院は兄貴と知り合いだと言う事を。


「ただいま…」
「お帰り、狼牙。御飯なら用意したぞ」
「兄貴の手料理なんか久々過ぎるぜ……じゃあ俺、荷物おいてくるな。」

俺の家は結構広い。兄貴と二人暮しなのに充分すぎるほどの敷地だ。
元々旧家だが名家だか華族だか何だか知らねえが、まあ古くから続く家柄らしくて分家とか傍流とかあるらしい。
両親は俺が6歳の時に事故で死んじまって、それから兄貴が俺のたった一人の肉親で育ての親なんだ。空也には悪いけど、兄貴も大好きなんだ。
だから気がつかなかった。兄貴の眼が光っていたことを。

「兄貴の手料理なんか何年ぶりだ?いつも俺が作ってるし。」
「テストが返ってくるお祝いだよ。」
「!?」

御飯を食べながら俺はビクリッと震えてしまった。ちゃんと答案は処分したけど……兄貴のことだ、何か絶対たくらんでる。

「あ…兄貴、テスト、なんだけど…」

言葉をつむごうと口を開き、のどが渇いたのでそのままお茶を流し込んで息を整えた。その瞬間、グラリと視界が揺れる。

「え…あぁ、っぅ…」



そのまま俺の視界はブラックアウトした。




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