Novel
□幸せな夕暮れ
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「でも、そんなことしても軟派に見えないのって、お兄ちゃんちゃんと一人ひとりに『ありがとう』って顔して食べてるからだね。」
音葉が付け足した。
「しかもちゃんと義理で作ってくれた子の紹介までしてくれるし。。」
「……」
優は唖然とした。確かにその通りなのだ。
「まぁでも、私はそんな数より、お兄ちゃんの友達紹介のが毎回楽しいんだけどね。」
「そーそー、お母さんも楽しみの一つだって言ってたし!」
「でさ、いつも絶対たっくんが話にでてくるんだよね〜。彩音、たっくんの話になるとチョコの数数えるのやめるんだよね(笑)」
「え、なんで?」
優はきょとんとした表情で聞いた。
「や、たまたまだよ!偶然偶然!でもちゃんと包みの数でお兄ちゃんが食べたチョコの数覚えてるから、大丈夫大丈夫!」
「あーもうっいーだろその話は!何が大丈夫なんだよ!」
「楽しそうね」
3人がヒートアップしていると、優の後ろから声がした。優は驚いて振り返ると、さきがクスクス笑いながら立っていた。
「わっ、さき!いつの間に!?」
「さっき。おばさんとそこで一緒になったの。はいこれ。」