NOVEL
□新撰組 ★豆まきまきと恵方巻き
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「まったく。巻きすを使えばこんなの簡単なのに」
光は、プリプリ怒りながら恵方巻きを作ってくれています。
「すまん…」
歳は、体を小さくして謝ることしかできません。
「でも、厄おとしの為に、その年の良い方角を向いて無言で食べるなんて面白いわね。入れる具材も7つだし」
「だろ?」
光に褒められて、歳は嬉しそうです。
「でもそれで宗次郎と喧嘩してもね」
「本当にごめんなさい」
歳は、素直に謝りました。光は小さくため息をつくと、歳の右手に光が上手に巻いた恵方巻きと左手に豆の入った袋を渡しました。
「光…?」
「これ持って仲直りしてきなさいな」
「わりぃ。ありがとな。光」歳はいそいそと宗次郎がいる部屋に向かいました。
宗次郎は、まだクスンと泣いています。
「しんないもん。歳兄なんて…」