大盛アンパンセット
□節分
4ページ/7ページ
いつの間にか、その兄弟の手にはありとあらゆる武器が握られていた。
鎖、ナックル、釘バット、得体の知れない器具……
あきらかに正義のヒーローとは程遠いモノまである。
『えっ……ちょ、まっ…』
うろたえる鬼。
しかし時すでに遅し。それから数分後、鬼に扮した変態の断末魔が響いた。
『さて。鬼も退治した事だし帰ろうか。』
一仕事終えたかのように汗を拭うアン。
『え〜!?鬼が一匹いたんだよぉ?三十匹はいるかもって思わなきゃ☆』
鬼はゴキブリか。
『一匹で充分だって!!残りは他の奴にまかせて、コタツでミカン食おうぜ〜?』
『いくの!!☆』
なぜそこまで鬼退治にこだわるのかはわからないが、メロンは頑固だ。
くそう…気の済むまで付き合うしかないのか…。
アンは恨みがましそうにギロリと鬼(であった残骸)を睨むと、
『ショクパンのくせに余計な事してんじゃねぇよこの変態っ』
【ゴッッ】
頸椎(人体急所)に強烈な一発を食らわした。
『ショクパン??☆』
『何でもないんだメロン。さぁ行こうか』