アンコ詰め合わせ
□恐怖はすぐ側に。4
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『……なるほど。』
『つまり、バタ子もこの臭いの正体は知らないと。』
『ええ、ごめんなさいね。ところでうちの愛犬が未だに目を覚まさないってどゆ事?』
チーズはガスマスクを付けているにも関わらず、ぐったりとしている。
だらりと放り出された手足を見ると、完全に意識はないようだ。
『まさかこのガスマスクだけ手抜きだとか…?犬だけ差別?いい度胸ね』
バタ子の背後に黒いモノが集まりつつある。
『し、失礼なっ!!俺様がそんなくだらない事するわきゃねぇだろっ!!』
『じゃあなんで気絶したままなのよ?』
『死んでんじゃねぇの?』
そう答えたカレーをバタ子があざ笑う。
『フッ、これだから単細胞馬鹿は。
いいこと?覚えておきなさい。十数年以上、変わらぬ設定で続いている漫画、アニメのたぐいは
「登場人物は死なない」
という定義の上に成り立ってるのよ。
つまりチーズは死なないわ。』
自信満々にニヤリと笑うバタ子。
『そんな定義があったのか…!?』
『っていうかチーズの脈を調べたらわかるよね。』