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□保育士柳さん
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「柳さ〜ん」

みんなより遅れて外にでれば、小さなバケツとスコップを持ったワカメ頭がトコトコやってきた。

「柳さん、お砂場行こ?」

俺のエプロンの端を掴み、まぁ当たり前だが上目づかいで訴えてくる。

(か、可愛いっ…)

これだ!!

だから子どもはいいんだ!!

これが保育士の醍醐味なのに…あのふけ顔は(怒)

可愛さの欠片もない

「柳さん?」

「あぁ、しかし出来れば柳さんではなく柳先生と呼んでほしいがな」

軽く屈んで頭を撫でる。

「柳さん、お砂場、行こ?」

すると赤也は瞳を潤ませて訴えてくる

その眼からは今にも大粒の涙が零れてきそうだった。

「赤也!?あぁもう分かったから、もう柳さんでもいいしお砂場も行くから泣くな」

可愛すぎるから!!【柳赤!?

「あー!!柳が赤也を泣かしちょる〜」

「あ〜赤也泣かした〜」

遠くで見ていたらしき仁王と丸井がケラケラ笑いながらこちらを指差している。

「蓮二!!子どもを泣かすなどたるんどる!!見損なったぞ」

お前に蓮二とか言われたくないぞ

「蓮二、どうしたの?」

「精市、いや…」

「赤也!!大丈夫か!?」

真田が赤也にかけより俺から離した。

すると赤也はピタリと泣き止み真田を見た。

「赤也、もう大丈夫だ」

真田が無駄にお兄さん面をして赤也を見つめる。

只でさえふけ顔なのにそれ以上年上ぶってどうする

「あっ…あ゛ーーー!!」

真田の顔を直視した瞬間、赤也がこれ見よがしに泣き出した。

「真田、赤也に触らないでくれるかな?ふけ顔が移るからっ!!」

「なっ…ふけ…」

同情のしようはないが些か言い過ぎのような気もする…まぁ気にするだけ損だな
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