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□眼鏡萌え
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「結局眼鏡萌えっちゅーのは、眼鏡かけとってハゲてなければええんか」

「お前俺の話まったく聞いとらんかったやろ」


昼休みになり白石と一緒に昼飯を食っとった。

俺の話を聞きながら白石は右手でパックのジュースを飲み、左手で今はかけていない眼鏡を机の上で弄んでいた。

「ええか?眼鏡萌えっちゅーんは、その人が眼鏡をかけてグッとくる感じが眼鏡萌えなんや」

「なんやねんグッて」

「例えば」

「もう例えばはええっちゅーねん」

「なんや、お前が教えてくれ言うたくせに」

「お前の例えばは分かりにくいねん」

はぁとあからさまにため息をはくと、白石はムッとした顔をして俺に眼鏡を押しつけてきた。

「なんや」

「百聞は一見にしかずや!!自分、この眼鏡財前にかけてもろて見てこい!!その時のお前の気持ちが眼鏡萌えや!!」

「意味分からんわ」

「わからんくてもや!!放課後でもいいから絶対かけて貰うんやで?眼鏡萌えを実感するまでは今日は部活やらせんからな」

「なにムキになっとんねん」

しかし白石は俺の質問に答えるわけでもなく、ゴミをまとめて自分の席へ帰って行った。

(なんやねんアレ…ま、白石怒らせると後が怖いし、やるだけやってみるか)

そう思いながら眼鏡を鞄中にしまった。

(ケースに入れんでもいいんやろか…)





放課後になり、意気揚々と部室へ向かった。

「あ、謙也さん来てはったんですね」

部室の中に入り椅子に荷物を置いた瞬間部室の扉が開き財前が入ってきた。

「おう、財前」

財前が入ってきたことにより、俺は白石から預かった眼鏡の存在を思い出した。

鞄の中を探って黒縁の眼鏡を見つける。(奇跡的にフレームなど曲がってはいなかった)

(この眼鏡を財前にかけさせたところで何が分かるっちゅー話や)

「何してはるん謙也さん、着替えへんの?」

しゃがみ込んで動かない俺に財前が後ろから話しかけた。

「なぁ財前」

「あ?」

「あんな…この眼鏡、かけてくれへんか?」

「は?」

あ、今あからさまにいやな顔した。

「まぁまぁなにも言わずつけてくれ」

「ちょっ…」

俺は有無を言わさず財前の顔に眼鏡をかけた。

「なんスかこれ…伊達やないッスか。これ謙也さんのなん?」

「………」

「謙也さん?」

なんや、白石の声が聞こえてくるようやわ。

やっぱ百聞は一見にしかずやな、あんな変な例なんかグダグダ言っとらんと最初っからこうしてくれやよかったんや

「あの…なんスか?」

俺がジロジロ見てるのを不満に思ったのか、レンズ越しに眉をひそめて俺を睨みつけた。

「そか〜、眼鏡萌えって眼鏡が似合う人のこと言うんやな!!」

「はぁ!?」

うんうんと納得したように首を振った。

「なんなんスか、眼鏡萌えて…」

「なんや財前。眼鏡萌え知らんのかいな」

「せやなくて、なんで俺が眼鏡萌えやゆーてんねや」

「せやかて…白石に眼鏡萌えて何て聞いたら眼鏡かけた財前やて言うから…」

「…俺って眼鏡似合いますか?」

「おう!!ばっちり似合ってんで!!」

親指をたててニカッと笑えば財前は照れくさそうに顔を背けた。

「眼鏡が似合う人やったら確かに白石も眼鏡萌えやわ」

うんうんと首をふった後財前を見ればムスッとした顔で俺を見ていた。

「部長に萌えるなんて、キモいッスわ」

「え…?」

「てゆーか謙也さんはどうなんですか!?」

「は?俺?」

財前は眼鏡を外し俺にかけさせた。

無理矢理だったのでフレームが当たって少し痛かった。

「………」

「どや?俺萌えてる?(←謙也的似合ってる?の意味)」

「似合わへん」

「え…?」

軽くショックなんやけど…

「謙也さんは髪脱色してるから赤いフレームとかのがええんとちゃうかな…」

「はぁ…」




end

オチなし!!
突発的に眼鏡似合うんやったら萌えてみました。
こんなに萌えという単語を使ったのは初めてだ

白石+謙也←光
みたいな感じでしたかね?

よくわかんない文でスミマセン…orz
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