短編

□星に願いを
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「綱吉」



貴方がオレの名前を呼ぶ度に、甘くて、幸せで、なんだかすごく、切なくなる。

学校から家までの短い時間、暗闇に紛れて手を繋ぐ。雲雀さんの手の温度がひどく心地良い、けど。



ずっとは繋いでられないし。


この気持ちだって、きっと“永遠”のものではないから。



「送ってくれてありがとうございます。」


いつの間にか家に着き、出来るだけ笑顔でそう言った。


「たいしたことじゃないよ。」


おやすみ、そう言って雲雀さんはオレの額にそっとキスをした。



オレは暗闇に熔けていく雲雀さんの後ろ姿を見えなくなるまで見送った。家に入る前、唇の温もりが残る額にそっと触れて、空を見上げた。



………・……・…
星に願いを
…・………・・…



出来ることなら、こんな毎日がずっと続いて欲しい。この手の温もりも、この気持ちも、全部、このまま。


fin

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