短編

□蜂蜜色の海に溺れる
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僕は、君が苦手だ。



オドオドしたその態度も、いつも泣きそうに水気を帯びた大きな瞳も、華奢な身体も、震える手も。


見てるとどうしようもなく苛立って。なら近付かなきゃ良いのにって自分でも思うのに、いつの間にか目で追っていて、離せない。



ねぇ、どうしてかな。

君が誰かに微笑む度に、胸の奥が苦しくて、苦しくて堪らない。



こっちを向いてよ、笑って見せて?


僕の名前を呼んで?


君の誰よりも近い場所に行って、誰も見たことの無い君が見たい。



らしくない願望が頭の中を支配して、甘美な毒が身体を蝕みはじめる。



だから、君は苦手なんだ。

オドオドしたその態度も、いつも泣きそうに水気を帯びた大きな瞳も、華奢な身体も、震える手も、大嫌いだった、はずなのに。

僕は、いつの間にか





……………………・…
蜂蜜色の海に溺れる
……・…・……………


言い聞かせたってもう遅い。


fin

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