銀魂短編

□笑う?微笑む?怒る?
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こんなことをして、なんになるの


僕はね、もう一人はいやなんだ


あなたは一人なんかじゃない、近藤さん達がいるじゃない、私だっているじゃない


「……僕は、」













私は引き止めた。

聞く耳を持たなかった彼が悪いのよ。


「もうすぐ、全てが僕のものになるんだ」

『ああそう』

「…昔はあんなに引き止めたのに、今はてんでだね」

『私は昔のあなたが好きだった。今のあなたに興味は無いわ』

嘘。嘘よ。確かに今のあなたは嫌だけど、いつか、きっと昔みたいに戻ってくれるんでしょう?

「………」

『…本当はあなただって気付いてるんでしょ?』

「…………」

お願いだからやめて。気付いて。今のあなたは見ていられない。

『…自分のやってることは、無意味だって「うるさい」


「僕は、間違ってなんかいない。…もう君も分かってくれないんだね…。…それじゃ」

やだ、行かないで。やめて

『…間違ってることに気付いているなら、早く素直になればいいのに!』

「……」

行かないで、ねえ、こっちを向いて



「……………さよなら」











  ねえ、もし、もしあなたが死ぬとしたら、あなたは最期に、どんな表情を浮かべるのかしら


自暴自棄になって、笑うかも知れない。


今になって自分の間違いを認めて、微笑えむかもしれない。


もしかしたら、最後まで間違いを認めきられず、怒るかもしれないわね。




―僕は、君が好きだった





『私は今でも好きなのよ?』


空に向かって言う。









笑う?微笑む?怒る?
(彼の死の報告を聞いたのは、そんな晴れた日だった)








最期のあなたは、幸せそうに微笑んだらしい
そうね、だってあなたは幸せ者だもの。












…………………・
あとがき

企画「鴨をice」様に捧げます。

駄文ですが捧げます

 

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