銀魂短編
□笑う?微笑む?怒る?
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こんなことをして、なんになるの
僕はね、もう一人はいやなんだ
あなたは一人なんかじゃない、近藤さん達がいるじゃない、私だっているじゃない
「……僕は、」
*
私は引き止めた。
聞く耳を持たなかった彼が悪いのよ。
「もうすぐ、全てが僕のものになるんだ」
『ああそう』
「…昔はあんなに引き止めたのに、今はてんでだね」
『私は昔のあなたが好きだった。今のあなたに興味は無いわ』
嘘。嘘よ。確かに今のあなたは嫌だけど、いつか、きっと昔みたいに戻ってくれるんでしょう?
「………」
『…本当はあなただって気付いてるんでしょ?』
「…………」
お願いだからやめて。気付いて。今のあなたは見ていられない。
『…自分のやってることは、無意味だって「うるさい」
「僕は、間違ってなんかいない。…もう君も分かってくれないんだね…。…それじゃ」
やだ、行かないで。やめて
『…間違ってることに気付いているなら、早く素直になればいいのに!』
「……」
行かないで、ねえ、こっちを向いて
「……………さよなら」
*
ねえ、もし、もしあなたが死ぬとしたら、あなたは最期に、どんな表情を浮かべるのかしら
自暴自棄になって、笑うかも知れない。
今になって自分の間違いを認めて、微笑えむかもしれない。
もしかしたら、最後まで間違いを認めきられず、怒るかもしれないわね。
―僕は、君が好きだった
『私は今でも好きなのよ?』
空に向かって言う。
笑う?微笑む?怒る?
(彼の死の報告を聞いたのは、そんな晴れた日だった)
最期のあなたは、幸せそうに微笑んだらしい
そうね、だってあなたは幸せ者だもの。
…………………・
あとがき
企画「鴨をice」様に捧げます。
駄文ですが捧げます