Novel


□ストーカー
1ページ/20ページ





ある日見つけた……一人の少年。



ぱっちり二重のおっきな目、明るめの柔らかい髪、小さくて生意気そうで…。

表情がコロコロ変わりとても面白い。

友達もたくさんいていつも騒がしく電車に乗っていた。





俺の理想が、そのまま出てきたような……そんな少年だった。











毎日見ているだけで幸せだった。



でも、たまに近くに立って…少しの温もりと香りを感じる・・・・。
そんなコトで嫌なことなんて全て忘れられ……
この世には俺とこの少年しかいない……そんな空想をして幸せを感じていた。







…毎日見ているとある程度の生活パターンがわかってきた。




毎日朝7時50分の電車に乗ることや、2両目のカドが好きなこと。

遅刻したり一人で登校する時もかならず2両目のカドにいた。




友達との会話からも彼の性格や学校での行動などがわかった。




頭は良いほうではなく、よく補習を受けること。

以外とプライドが高く、負けず嫌いで勝負事が大好き。

すぐムキになる性格で、調子に乗りやすい。

とても友達思いだが、口が悪い。















人間とは欲の深い生き物で………

毎日見ているだけで幸せと感じていたはずの俺は、いつの間にか朝会うだけでは物足りなくなっていた。


下校の時は学校の前で待ち伏せをした、朝も家の前で待つようになった……。






どんな些細な情報でも少年のコトが知りたくて…
郵便物にも手を出した。


悪いことだとはわかっていたが………それよりも気持ちの方が優先された。



最初あった罪悪感も…日を増すごとになくなり、それどころか慣れていく。



郵便物も丁寧に開封して…その後バレないように完璧に元に戻しポストへ入れた。



怪しまれないように、見た目は配達員のような格好、そしてバイク…全てを調達した。





時間もお金も全て少年の為だけに使った。






そして、少年の些細なことまで全てわかるようになった。






名前は
彩木 神楽

年齢
17歳

身長は
163センチ

体重
52キロ


その他、住所・電話番号・携帯番号・誕生日・星座……神楽のあらゆる情報をまとめてノートをつけた。



もちろん電車での毎日の会話も録音したりしてノートに書き留めた。












次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ