Novel


□ストーカー
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ある日いつものように神楽の近くに立ち録音していると、神楽の友達が興味深い話をし始めた。






『神楽また来週から補習なんだろ?』

長身の男が優しく聞く。



『あはははっ!期末すっげーヤバかったもんなぁ〜!』

隣にいたつり目の男が笑いながら神楽の肩をたたく。



『あぁ〜…・・嫌だなぁ〜〜。』




いつも元気な神楽がめずらしく落ち込んでいた。




『今回は放課後じゃなくて、朝なんだぜっ!早朝!!
朝早く起きなちゃいけねーし…
電車も1本早いの乗らなきゃいけねーじゃん!
1本早いのってスゲー混んでるしよーー。
大体一人で登校っつーのがダルいよなぁ〜。』




本当に嫌らしく、すごく早い口調で話していく。








『…っあははは!!!そんなん神楽がわりーんだろー』





神楽の早口に、ポカンとしていた友達も、意味がわかると大爆笑しだした。




その後も
「補習の日一緒に登校しょう!」
と必死に誘っていたが、友達は皆笑うばかりで、あっさり断られていた。




叱られた犬のようにシュンとしている神楽。

いつも気が強い分可愛く思えた。













・・・・・。










ふ〜ん…。






来週から補習なのか…。












一人で登校…。










確かに6時半発の電車は通勤ラッシュで、身動きもとれないほどに、ものすごく混む。





それでも神楽は2両目のカドにいるだろう…。













前々から少しだけでもいい……触れてみたかった。








ふと…考えが浮かんだ。

それを俺の友人に話すと、友人達は快く承諾してくれ、そのための作戦と準備を始めたてくれた。


俺も遅れまいと早々に準備に取り掛かった。

パッと閃いたことで、なにより時間が無かった。















決行は5日後……。











その日から俺は興奮で一睡もできなくなった。































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