TWO!

□TWO!6
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「おまっ何余計な……いやデタラメ言ってんだよ! 俺怪談マジで大丈夫だし、最近 幽霊と散歩したおぼえあるし」

「えええマジでか!! 凄いアル。でもそれなら怪談話くらいワケないだろ」

「………神楽、お前」


 尊敬した台詞はどうやら俺をたたきつけるためだったらしい。

 結局 無駄に意地をはって、俺は名無しさんの隣に座った。


「あれ? 何してんの君たち」

「暗くしてんですよ。まあ夜にやってもいいんですけど、それだと夕食に間に合わないんで」

「カーテン閉めてもあんまり暗くならないヨ」


 神楽がぶーたれるが、俺はそっちの方がいい。

 いや、やるなら できるだけ明るいままで怪談が希望だ。


「あーもういいから、そのまんまでいいから! 座れ、はじめっぞ!」

「はーい」

「まあ、薄暗くなったからいいか」


 新八と神楽が向かい側のソファに腰をおろすのを確認して、名無しさんは「それじゃあ」と口火を切った。


「まず私からね」


 ひそひそと声を出すので、俺達は自然と前のめりになる。





 とある女性はその日、田舎から引っ越してきたばかりです。

 なので、どこにも知り合いがいません。

 しかしある夜、玄関の扉がドンドンと叩かれました。



「アアァァアアアァアアアアァァァア」

「銀ちゃんうるさいネ」

「恐いならもう聞かなくていいですよ」



 誰ですか、と尋ねても相手はドンドンと扉を叩くだけ。

 それで女性は我慢できずに言いました。

 私の質問に答える時、『はい』だったら扉を一回、『いいえ』だったら扉を二回叩いてください、と。

 早速女性は相手に聞きました。『男だったら一回、女だったら二回、扉を叩いてくれますか』って。すると返事がドン、だけでした。つまり、この人は男性なのです。

 そして次に『子供だったら一回、大人だったら二回、扉を叩いてください』と言いました。二回叩かれたので、大人です。

 そうして女性は、『わたしを殺すんですか? 殺さないなら一回、殺すなら二回扉を叩いてください』と聞きました。すると相手は、



「どォん!!」



 と大きく扉を叩きました。



「はい、おしまい」

「……び、びっくりした」

「私もアル。名無しさんって話し方上手いアルな」

「ふふふ。でもちゃんとわかった?」

「わかってますよ、結局女性は殺されないんでしょ。銀さん大丈夫でした、心臓バクバクしてんじゃないですか? ……あれ、銀さん?」

「なんか白目むいてね? 放心してね?」

「あ、………大声、出し過ぎたかな」


 銀ちゃーん、と名無しさんが肩を揺さぶる、そんな夢を見た。









後輩に実際騙された話引用。あれビビるんですよ身近だと。
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