番外
□思考回路は当時のままで
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『名無しさん〜!! 書いたぞ〜!』
『あら、早いねぇ晋ちゃん』
虫の鳴き声がよく聞こえる。
暗い夜空には、いつもより明るい星がいつもよりたくさんばらまかれていて、天の川というやつがあった。
今日は、七夕という日らしい。
『晋ちゃん、もっときれいな字で書かないと…』
『う、うるせー! …いっでェ!』
『乱暴な言葉は使わないっ』
庭には、日頃見慣れない笹の木。
近所からおすそわけしてもらったと嬉しそうにアイツが言っていた。
『ヅラちゃんはどう? 書けたかな』
『…ヅラちゃんじゃない、桂だ。…書けた』
高杉とヅラから受け取った紙に こよりを通し、枝にくくりつけていくアイツ。
その作業がいったん終わると、緑色だった笹に短冊がたくさんぶら下がっているのを、嬉しそうに見上げた。
『…………』
その姿を、縁側からぼうっと眺める。
すると、ななめ上から声がふってきた。
『銀時、書けたかい?』