TWO!
□TWO!1
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「えっ! 銀さん知り合いなんですか!?」
新八の驚きに、俺はいったん間をおいて、「いや、」と否定した。
そうだ、そんなはずがない。
「人違いだ。よく似てるがな」
だってあいつは何十年も前に消えた。なのに顔や髪型に変化がない。
服装は普通の着物だけど……いや、待った。
さっきもらった袋を開けて 取り出した物は、
「………マジでか」
あの、消える直前に着ていた着物だった。それは夢じゃない、鮮明に覚えている。
ボロボロになった着物と女を見比べて、俺は依頼主の台詞を思い出す。
『まるで初めて病院に入るみたいに、怯えるんです』
あの時代には、こんな病院がなかったから。
まさか、
「……? 銀さん、そっち壁ですけ」
「……ふんがああアァァァァァ!!!」
「え゛え゛え゛え゛え!!」
ガンガンと壁に頭を打ちつけ、俺はありえない考察を思いきり否定した。
「違う違うぜってェェェ違う! あれだあの着物は誰か同じ物持ってんだよ! 落ち着け俺、この女は貧乏だから病院に行ったことがないだけだァァ!」
「うるっせェェェ!!」
背後を神楽にキックで狙い打ちされ、俺はようやく壁から頭を離す。
ありえん、絶対にありえん。そんなタイムスリップとかマンガじゃないんだから……いやマンガでもなかなかありえない展開だから。
だが、あの娘の顔と、着物は、どう見ても………
「うおおおおお!!! 違う違う違う!」
「だァからやめろォォォ!!」
今度は新八に突きで一本取られた。