ANNIVERSARY

□2005/07 高耶さんBirthday(番外)
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“おまえだけは
  永久に許さない!”



いや違う。
許されないのはオレ自身。

確信犯。

オレガ、
オマエヲ追イツメタ――







あの頃の自分はもう、ボロボロだった。
カラダも、ココロも。

激しさを増す闇戦国、
最凶の敵、織田信長。

そして――

直江。
……おまえは、どうしたかった? どうなりたかった?

上杉景虎と、
直江信綱は、
どう在れば良かった――?

表面上ギリギリで保たれていた「主人」と「家臣」の関係。
もはや演じきれなくなってきていたオレの、おまえの、
望む在り方はなんだった……?


 義父上――
 モウ疲レマシタ。
 モウ嫌ダ。
 換生ナンテ、
 怨霊調伏ナンテ、
 モウ……!


美奈子をも犠牲にしてなにもかも失ってオレ自身も見失って、切に思うのに。
なのにまだ、「オレ」は終わることができないでいる。
このままでは終われない、何故なら。
何故なら……


――モウ一度、オマエト「生キ」タイ。


ゆらゆら、暗き闇のほとりを彷徨い続けたその果てに見いだした。
そう。それが、オレの答え。







ココは温かい。

いま、オレは「上杉景虎」の魂を受け入れてくれた羊水のなか。
この安らぎに満ちた母なる海に洗われて、
真白になって、
オレはもう一度おまえのいる世界へ向かおう。

きっとこの換生が最後のチャンス。
だから待っていろ、直江信綱。
もう何年もおまえの呼びかけに応えることができなかったけれどあと数年。
オレたちが、新しく始まれるために再び出会う、その日まで――









19XX年7月23日

この日、上杉景虎は仰木高耶として還った。
自分自身で記憶を封じてはしまったけれど、
たしかに望んで生まれてきた再生の日――REBIRTH DAY……



さあ、夜は明けた。
運命の歯車がまた、動き始める――


END


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