蜜/室

□指
1ページ/2ページ


直江の「手」は大きくて、
優しくて、強くて。

オレはその手にひどく安心する。

けど、
直江の「指」は―――…







〜 指 〜







「ンっ…」


オレのなかに侵入してくる直江の指

さっきまでソレはオレのくちのなかにあって、
さんざんしゃぶらされた。

直江の指は、
見かけはすらりとしているくせに実は意外と節ばっていてゴツイ
てことに、こーゆうとき気がつく。





「っン……ン、あ、」


思わずもらしてしまった声


「また、ガマンして…」


と直江が笑う。


おい。
なんでおまえはいっつもそんな余裕なんだよっ
おまえの指だけで狂いそうなんて冗談じゃないっ

言ってやりたいコトは山ほどあるのに、


「んぅっ…ン、なおぇ…」


――て、甘えたような
そんな声しか出せない自分が信じらんねえ。


「高耶さん
 もっと、声、出してくれていいんですよ。きかせて…?」


「ィヤ…だッ」


必死でそう言うと、


「強情なひとだ」


直江はまたクスっ、と呆れたように笑い指を抜いた

けど「?」と思う間もなく、


「あぁ…ッッ!」


二本にしやがった
そして一気に奥の奥まで貫く


「〜〜〜!」


強すぎるシゲキにくちびるかみしめ堪えてみるけど


「高耶さんのなか、あたたかくてトロトロですよ。ほら、こんなに……」


直江はわざと耳元で囁くように言い、

中指と人差し指
別々な動きでもどかしいくらいゆぅっくりとかきまわす。


「…っはぁ、やめ、」


「やめろ?」


「ちが、」


「もっと?」


「……違っ…」


「どうしたいの?」


ああ、もう、自分でもわかんねぇよっ

抗議を込めて直江の背中に強く爪をたててやると、
仕返しとばかりに大きく突かれた。


「待っ、…ぁ、直江ッ、」


「だからなぁに? 高耶さん」


ちゅ、
眉間にキスされた


「そんな眉寄せて。赤いくちびるして。――イイ顔」


くっ、この男は…っ


「いちいち、言う…な、」


「どうして?
 とってもス・テ・キ、ですよ、高耶さん?」


でもそんな甘い言葉とはウラハラに、
オレのなかを攻め続ける右の指と、カラダをなぞりゆく左の指
ヤバげにうごめくくちびる、舌、――…



………っう、ダメだ

ゾクリと震えが背筋をはい上がる


「ツラそうですね。――もう、イキそう…?」


「くっ……」


くやしいけれど、こくこく頷くしかできなくて

直江が「出しなさい」と、ゆるりオレを撫であげた。





あぁッ、も、オレ…、



 …ダメ………

   ………………

     かも…………。







次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ