銀魂

□LIKE BLOOD AND CHOCOLATE?
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LIKE BLOOD AND CHOCOLATE?



「っ…………」

薄暗い路地裏をひたすら歩く…傷だらけの身体を引きずりながら…

それはつい一時間程前の事。

土方は世間のバレンタインデーに便乗した輩から無理矢理渡された大量のチョコレートを甘い物が大好きな銀時にあげたら喜ぶだろうと万事屋に向かっていた。
副長ともなると名前も顔も知れ渡り攘夷志士に命を狙われる。

その日も例外なく襲われた。

いつもの土方であれば攘夷志士の一人や二人どうという事はないのだが今思えば少し気を抜いてしまっていたという事実がある。

しかしそれは致し方ない事であった。ここ数日間事件が山の様に起こりありえない域のオーバーワークを不眠不休でやり終え最近仲良く(?)なった銀時とやっと語らう時間ができたのだから。

なんとか敵を持っていた脇差しで倒すも背後を取られ深手を負った。


そして現在にいたり頓所に帰るよりも万事屋に行った方が早いと向かっている最中だ。

「ちっ………」

流石に意識が朦朧としてその場に座り込んだ瞬間

人の気配を感じそちらに視線をやる

「土方ッ?!」

視線を送った先にいたのは今の今まで考えていた相手…

「銀時……?」

そう呟いた刹那銀時は土方に駆け寄り傷だらけの身体を労る様に確認する。

「なんでこんなに傷だらけなの?どうした?何があったの?」

銀時も混乱している様子で土方に問い掛けた。

「チョコレートをいっぱい貰ったからお前にやったら喜ぶかと思ったんだけど…途中攘夷志士に襲撃されて…迂闊だった。油断してたし。」

土方は自分が話している最中ずっと心配そうにしている銀時に迷惑はかけまいと少し引き攣ってはいたが笑みを見せて立ち上がろうとするもバランスを崩し相手に寄り掛かる形になってしまいすぐに離れようとしたが逆に抱きしめられた。

「土方…今から病院行こ?危ないって血凄いし」

傷口を気にする銀時につられてか指に自分の血液をつけて眺めわざとらしく舐めると妖笑を浮かべて見せる。

「なぁ銀?なんか血ってチョコレートに似てねぇ?」
「はぁ?」

自分の血液を眺めながら意味不明な疑問を投げかけてくる事に素っ頓狂な声を上げてしまうもそっと土方の指を手にとり口に含んでその味を堪能する。

チュッと音を立てて指から唇を離せば真っ赤になった土方の顔。

「土方は全部甘いからチョコレートっぽいかもね。」
そう言って銀時が笑ってやると土方もふっと笑って意識を手放した。



その後病院に運ぼうと背負った身体があまりにも軽く心配になった銀時であった。

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