銀魂

□君に苺と甘い想いを…
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君に苺と甘い想いを…






今日は攘夷志士も天人も浮かれ騒ぐクリスマス。

人々は仕事も忘れ親しいものと祝いあう。

武装警察新撰組といえど例外ではない…ただ一人を除いては。


「副長〜!一緒に祝いましょうよ!」
真選組監察山崎退は副長室の前で辛抱強く土方に呼び掛けていた。

「さっきから何度言わせるんだ!俺はまだ仕事がある!先にやってろ!!」

先程からしつこい山崎に土方は嫌気がさしていた。

(いつになったら諦めるんだ?)
そう心中で呟きながら怒鳴るように返事をした。

「……わかりました。じゃあケーキ用意して待ってますから終わったら来て下さいよ!」

そう言うと山崎は逃げる様にその場を去っていった。
土方はケーキという単語にふと走らせていた筆を休め記憶を探った。

(そういえばもう3年も経つのか………)

土方や沖田がまだ近藤の道場で稽古をしていた頃。

祝い事が好きな近藤がクリスマスにケーキを買ってきてくれた事があった。

沖田は与えられたケーキを苺を避けるように食べていた。
沖田は苺を最後に食べるのが好きだった…

しかし沖田が最後にとっておいた苺を食べようとした時横から土方がそれを食べてしまったのだった。

もちろん土方に悪気は無く食べないのなら勿体ないから自分が…位の気分だったから沖田が抜刀して怒った時は至極焦った。


□■□■□■□■

土方はハッと我に帰り和やかな過去を思い出していた事に自嘲の笑みを浮かべた。
再び筆を走らせ書いていた書類を終えると煙草を片手に皆がいる広間に足を向かせた。
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