三国無双短編夢
□残念ながらべた惚れ
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はじめてみた時思ったんだ
この人しかいないってね
いわゆる一目惚れってやつかな?
『ねぇしーばい』
「…」
『ねぇ、聞いてる?』
「…」
『…』
「…」
『…あっ、殿が仕事放棄して夏侯惇将軍に追いかけられてる』
「…(ピクッ)」
『(あ…ちょっと反応した)』
少し反応したと思ったけど、目線が少し動いただけで筆を持つ手の動きは変わらなかった
仕事を始めるといつもこう
何を言ったってかまってくれないし
話しかけても反応してくれない
そりゃ司馬懿は軍師だからさ、大切な仕事をやってることだって分かってるし…私にかまってる暇なんてないことは分かってる。
ましては私は妻でも彼女でもなんでもないわけだから、かまう必要がないってことも…
分かってるけど…寂しいんだよね。
『…ハァ(鍛錬にでもいこうかな…)』
「…どこに行く」
『え…』
どんなに話しかけてもけして止まることのなかった手が…書簡からはなすことの目が…私が部屋から去ろうとしたことによって変わった。
「聞いてるのか名無しさん…私はどこに行くんだと聞いてるんだ」
『いや、その…司馬懿仕事で忙しいし私がいても邪魔かと思って…張遼殿と鍛錬でもしようかなって』
「…その必要はない」
『…?』
「お前はそこにいろ」
『だってさ〜』
「いいからそこにいろ…それに…別に邪魔だとは思っていない」
そう言った司馬懿の顔が少し顔が赤くなった気がした。そんなことされるとさ、私は司馬懿みたいに頭よくないから、自分勝手にいい方に解釈しちゃうよ?
ねぇ…自惚れちゃってもいいかな?
脈ありと考えちゃってもいいのかな?
『何なら朝までずっといてあげようか?』
「なっ!?ばばば…馬鹿めが!!誰がお前なんかと…」
『え〜そんなこと言ったら殿の所にいっちゃうよ?』
「うっ……好きにしろ!!」
『やった!!司馬懿大好き!!』
「…フン」
『(かわいーな)』
他の人の所にいくはずがない
だってあなた以外興味ないからね
残念ながらあなたにベタぼれなんです
(C)確かに恋だった
2009年9月27日