三国無双短編U

袁家の秘密
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歴史は必ずとも真実を語っているとはかぎらない、とはよく言うこと。過去のことはいくらでも手を加えて残すことはできるし、虚ろになっていく記憶は途中で事実が書き換えられることだってある。

だからって父上

あなたは書き換えすぎだと思うんですが。






袁紹「…でな、その時泣いて許しをこう曹操に私は言ってやったのだ。"お前では一生私には勝つことはできぬ、とな!!」








若かりしころの思い出を語る袁紹を冷めた目で見る名無しさんとキラキラと目を輝かせている袁紹の末子袁尚。




袁紹が話す昔話は、どうやら曹操とどちらが剣舞、詩歌に優れ女性にもてるかという勝負をしたらしいのだが、どうも話が嘘臭い。








『父上、嘘もいい加減にしてください。父上が曹操殿に勝てるはずがないじゃないですか。』




袁尚「姉上何を言っておられる!!父上が曹操なんかに負けるはずがないじゃないですか!!」




袁紹「そうとも顕甫、我が名族袁家が曹操などに負けるはずはない!!」




袁尚「流石です父上!!」








アハハハハ…と周りにお花畑が見えそうなくらいにうかれている姿に名無しさんはため息をついた。








『…我が父と弟ながら恥ずかしい。』




袁紹「ちょっと待て名無しさん!!話はまだ終わってないぞ」




『え〜まだそのつまらない話あるんですか?私これから用事があるので30秒で終わらせてもらえます?』




袁紹「なっ!!」




袁尚「姉上、つまらないとはどういうことですか!!」




『そう言われても、私今から大事な用事があるし…』




袁紹「…男か?その用事の相手とは男なのか!?」




『………では行って来ます』








逃げるように部屋を出て行った名無しさん。それを唖然と見ていた袁尚と言葉にならないというような顔をした袁紹だった。





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