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□request No.3
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たっぷり時間をかけて愛し合ったあと、君をバスルームまで運ぶ。
6日ぶりだったから夢中になったけど、だいぶ加減は出来るようになったかな。
最初のうちは、君があんまり魅力的過ぎて、なかなかその肢体を手放せなくて、気付けば君が俺の腕の中で意識を手放していることもあったから。

「あとは一人で出来る」

覚束ない足取りで、そのくせ口調はやけにしっかりと。
君はそんな釣れないことを言って、バスルームのドアを素っ気なく閉めた。
一緒に入れてくれたらいいのに。

先々週の週末、やっぱり今日と同じように君を運んであげて、足元がひどくふらついていたから、危ないよって言って一緒にバスルームに入った。

純粋に君のことを心配しただけで、邪な気持ちなんてこれっぽっちもなかった。
君の好きなバスジェルを棚から出して、一緒にバスタブに浸かるまでは。

こんな事を言うとまたマチ達に、パートナーの負担も考えられないなんて、セックスを覚えたての思春期の男子か、みたいに断罪されそうだけど。

だってさ、事後のクラピカの色気ときたらすごいんだよ。
とろんと視点の定まらない瞳の奥には、緋い炎みたいな色が微かに燻ってて、いつもはひんやりと張りのある皮膚も、身体中とろけるみたいに柔らかくなってて。
俺をケダモノ扱いする奴等に一度見せてやりたいよ。(いや、絶対に見せないけど)

とにかくそんなクラピカが、くたりと身を寄せてきて、何にもしないでいられるほど俺は紳士じゃなくて。
ラベンダーの薫りが立ちのぼるぬるめのお湯の中で、ちょっとした悪戯をするつもりが、歯止めが利かなくなっちゃって…ね。

それ以来クラピカは俺をバスルームに入れてくれなくなった。
俺だけじゃなくて、君もちゃんと気持ち良さそうだったんだけどな。
なんて言うと、手加減なしのグーで殴られるから黙ってるけど。
まあ、君の警戒がとかれるまで、暫く大人しくしていよう。



君がゆっくりとお湯に浸かっている間に、俺はシャワーブースでさっと体を流して、二人で休日の堕眠を貪るための準備をする。

寝室に用意した君専用のクローゼットから、休日を俺の家で過ごすためのとっておきの一着を選ぶ。

今日はどうしよう。

つい先日仕事に出た先で、パクの冷たい視線に晒されながら衝動買いしたベビードール風のワンピースにしようか。
きっと君は、趣味が悪いとか、寝るためだけの衣類に金をかけるなとか、文句を言うだろうけど、こんな人形みたいな服を品良く着こなせるのなんて、君くらいしかいないよ。

バスルームのハンガーにワンピースを吊るしたら、次はベッドメイキング。

くしゃくしゃになった寝具を退かして、真新しいシーツを広げる。
二人で選んだキャスの花柄。
君のお母さんのベッドリネンに少しだけ似てて、でも俺達二人の思い出だけが刻まれる。
そういう物を、場所を、少しずつ増やしたい。
俺って結構乙女チックだなあ。

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