一輪挿
□いつか、櫻の森で
1ページ/8ページ
『さびしい子供が此処に来るんだよ』
そう言って、木霊の少年は哀しそうに微笑んだ。
『迎えが来るまでずっと此処にいてもいいんだよ』
ならば。
ならば、自分は永久に此処から出られやしないだろう。
−迎えに来てくれる人などいやしないのだから…。
(ずうっと、まっているのに…)
コウはいつものように虚空を見上げると、その大きな眸から涙を一滴、ぽとりと零した。
※ ※ ※
.
→
次へ
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
カスタマイズ
©フォレストページ