一輪挿

□チビ絳攸〜パパと一緒にビ○レデビュー!〜
1ページ/8ページ


「は〜、沢山描いて貰ったわね〜〜」

「うむ。笑顔の絳攸は勿論のこと、ぐずる顔も愛らしい。はいはいだけでなく掴まり立ちまでとらえることが出来たし完璧だな!」

霄太師の薬で赤ん坊になってしまった絳攸の絵姿を、貴陽中の絵師を呼び寄せてこれでもかというくらい描いて貰ってご満悦な紅家当主夫妻は、同時に顔を見合わせて、ふっふっふと不敵な笑いを浮かべて親指を立てた。

「絳攸もお疲れ様〜。あら〜、いっぱい汗かいたわね。いっぱい遊んだものね〜」

百合は等身大の熊猫(パンダ)の人形に一生懸命よじ登りかじりついていた幼い絳攸を抱き上げた。

「う?」

その通り、小さな額は汗に濡れて、色素の薄い髪が欝陶しそうにはりついている。百合が絳攸の銀糸の髪をその白く細い指で分けて梳いてやると、絳攸は心地良さそうに目を細めてにっこりと笑った。つられて百合もにっこりと微笑む。

「赤ちゃんはただでさえ体温高いからね。そうだ、絳攸。お夕飯前にお母さんとお風呂に入ろうか〜?」


…その百合の一言に、黎深が固まった。

.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ