十人十色
□ラブ★コレクション
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「ふっふっふ。素晴らしい!想像していた以上の出来だ、万里!!」
夜も更けた碧家貴陽邸の一角で、小声ながらも興奮と歓喜に満ちた声が響き渡る。
「本当にありがとう万里。これ約束していたモノだよ」
「わあ、ありがとう珀明叔父上!これ藍州でしか採れない特別な釉薬なんでしょう?」
珀明から万里に手渡されたものは、藍州の九彩江でしか採れない特別な釉薬。とても貴重かつ高価なもので、その額は珀明の禄の何ヶ月分にもあたる。しかし彼にとってはそんなこと痛くも痒くもないようであった。
「コレに比べれば安いものだ。その代わり…」
「わかってるよ。母上には内緒、でしょう?」
「ああ。男と男の約束だぞ」
二人は顔を見合わせて笑顔を浮かべると、拳と拳を突き合わせるのだった。
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