一輪挿
□小噺集A
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雪降る回廊で迷子になった絳攸を見つけた。
「すいません」
しょぼくれた言葉は寒さで震え、白い肌はますます白い。
踵を返すと同時に上着を投げる。
「見ているこっちが寒い」
冷たく言い放った筈なのに背後で微笑む気配がした。
衣一枚脱いだ筈なのに温かいのは何故なのか。
***
雪の日といえばこの親子。冷たいからこそ温かさが際立つのだと思います。
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