一輪挿

□チビ絳攸〜パパと一緒にビ○レデビュー!〜
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「ふ、ふふふ風呂だと!?そんなことは許さん!!!」

「…ふ、ふぇ…」

いきなり大声で叫んだ黎深に驚いて、絳攸はびくりと反応し、みるみる内にその大きな瞳が涙で潤む。正に大泣き五秒前。

「あ〜、大丈夫よ絳攸〜。怖くないからね〜」

百合が慌ててあやしながら黎深を睨み付けた。

「ちょっと、いきなり怒鳴らないでよ!なんで母と子が一緒にお風呂入っちゃいけないのよ?」

「い、いけなくはないが。その、なんだ…」

黎深は珍しく言い澱む。
それくらい察しろ馬鹿者!と怒鳴りたかったが自分でも何がいけないのかよくわからない。
果たして、この複雑な気持ちはどちらへのものなのか−。

悶々と逡巡している黎深を百合は暫く黙って見ていたが、突然何かに気付いた顔をするなりポンと手を叩いた。


「わかった!貴方が絳攸とお風呂入りたいんでしょ!」

「………」


半分当たりで半分はずれ。百合の勘はあまり当たったことがないから上出来ではあるが。

これ以上のことを説明すると面倒臭いことになりそうだし、自分が絳攸をお風呂に入れたいのも本当なので、黎深はぎくしゃくとこっくり頷いた。
百合は嘆息しながらも、仕方ないわねと微笑んで、抱いていた絳攸を黎深に託す。

「お風呂場は危ないからしっかり見ててよね」

かくして新米パパである黎深と赤ん坊になってしまった絳攸は、晴れてビ○レデビュー…もとい、お風呂デビューすることになったのである。



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